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うず

【うず】訪問診療・介護あるある

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 訪問診療に従事している若手医師の講演を聞く機会を得た。まずは一般の「往診」と身体事情などで「通院」ができない方々のための「訪問診療」の違いから入り、訪問看護師、歯科医師、歯科技工士、ケアマネージャーなど関係者との役割分担、そして社会保険としての健康保険・介護保険の適用範囲・金額の解説や、介護等級の認定にも調査員の面接報告だけでなく、担当医師の意見も参考にされるなど丁寧な説明があった。
 現場では、高齢者の肉体的衰え―フレイルと自立・介護、ロコモティブシンドロームとADL(日常生活動作)など多くのチェックポイントがあり、ACP( Advance Ca
re Planning )における延命治療(胃瘻・人工呼吸器)の可否には医学的判断だけでなく社会学的視点が必要で、仕事をしながら通信教育大学で学び直したとのこと。
 具体的な患者さんとのコミュニケーションでは、明確な会話と感染予防とのトレードオフでマスク脱着判断が必要なことに加え、「いつもありがとうございます。冷蔵庫にペットボトルのお茶があります。飲んでいってください」という患者さんの言葉にも安易に乗ってはならず「ありがとうございます。持っていますから大丈夫です」と丁寧に断ることが必要で、お世辞と本音が異なっていたり、その言葉を完全に忘れてしまい、後で「あの人は勝手に冷蔵庫を開けて持っていった」ともめごとになることもあるという。独居老人の場合は特にそうで、持参した大型のペットボトルを最初に出してみせる看護師さんもいるらしいとの話まであった。
 私的保険の介護保険の普及はまだまだと感じるが、それとともに、保険営業活動を含めた老人家庭訪問時の心得も再認識するひと時であった。(朗進)

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