使用していたスマホが熱を帯び、カバーがめくれかけてきた。話題のバッテリー発火の恐れを感じ、自宅からは離れているが以前パソコンなどを購入した店で、薦められた最新型スマホを購入した。そして規定の料金を支払って、前のスマホのデータやアプリを新しいスマホに移してもらった。
　いざ使用しようとすると、なぜか使っていたアイコンが微妙に異なっていたり、従来の画面に提示されていなかったりして、目的のアプリが簡単に探せない。ようやく見つけて起動しても、これまた操作方法が今までと違っていてうまく使えない。どうやらデータやアプリを移動してもらった際に、バージョンアップがなされているようだった。
　このための質問に購入したお店に何回も行くわけにもいかない。思い余ってご近所の顔見知りだったスマホに詳しそうな方に相談した。幸いにも、丁寧な説明をいただき何とか対応できるようになったが、その後も使用にぎこちなさが続くことになり、その方の顔を見掛けるたびにご厄介になることとなってしまった。
　若い方々や専門家にとってはたわいのないマイナーチェンジで問題ないもののようでも、素人、特に高齢者にはそれなりの変更であり、対応が難しいことがあるのだと痛感する出来事だった。
　保険業界でも同じことがあるように思う。加入者の便宜を考えた商品や手続きなどへの改良も、思わぬトラブルと受け取ってしまう方々が少なからず存在する。営業職員、代理店は無論、商品開発部門、事務対応部門の職員を問わず、これらの方々への丁寧な説明とフォローが、真のサービスの、ひいては顧客満足度の向上に不可欠と考える。
（朗進）