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うず
【うず】時間合わせ
「9時5分前にお店で」と言われ8時55分に行ったが、若者が来たのは9時4分くらいである。彼は遅れたとは思っていない。9時5分の少し前が約束時間だからという。最近の若者は、柱時計や文字盤のある時計を見て育っていない。デジタル表示のスマホのせいでは、と家人は笑っている。明確な約束時間を確認しないあんたが悪いと。
「新規10件、継続率死守、採用あと1人、予算必達」などと朝礼で声を張り上げていたのはいつのことだったか。今世紀に入り保険会社の合併が始まり、合併後のポストの生存競争の中でわかりやすく優劣をつけるためにも、数字至上主義がはびこった。現場を知らない本社の役員からは、新指標が毎年降りてきた。営業の最前線はうつむきながらも、顧客に必要かどうかわからない商品でも販売し、中途更改を勧め、個人・会社の成績に直結する新商品にシフトしてきた。乗合代理店でも手数料の高い会社の商品にシフトし、会社表彰を受けることを目標にして一直線に走り続けてきた。
今日、「お客さま本位の営業」「代理店業務品質の向上」を最優先にリスタートすることを全ての保険会社と代理店が当局以上に顧客から問われている時にそんな朝礼をしていれば、「まだ昭和の営業のままか」と笑われるだろう。
新しい物差しに照らして、今までの自分たちがどうであったのか、どう変われるかが皆に問われている中で、経営と第一線の若手が、ともに意見交換をしっかりとして、今を検証し、来年向かうべき道と、変えるべきことを探ることが急務である。上から目標を言うだけではなく、若い最前線の社員の声、ひいてはお客さまの声を確認することで、まずは互いの約束時間をきっちりと合わせ、リスタートしたい。
(スネオ)
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