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【うず】エイリアンと生成AI

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 テレビの有料放送に加入したところ、ドラマや音楽、スポーツと見たい番組が急増し、録画容量が逼迫した。そんな中、映画「エイリアン」の第一作と最新作が続けて放送されると知り、真っ先に視聴した。人類が宇宙へ進出した未来、宇宙船内に入り込んだ狂暴な地球外生命体が乗組員を襲う―SFホラーの傑作シリーズは、新作のたびに劇場に足を運んだお気に入りだ。
 最大の見所は、女性主人公とエイリアンの死闘だが、私が両作品から強く感じたのは「AIは人間の味方なのか」という問題だ。1979年の第一作では、宇宙船を制御するAIが知的生命体の信号を検知すると航路を未知の小惑星へと変更し、惨劇の引き金になる。物語後半、同僚の一人が会社の命令を最優先するアンドロイドで、宇宙船の真の目的がエイリアンの捕獲だったと判明する展開はAIへの不安を掻き立てる。
 一方、2024年の最新作では、過酷な環境を生きる主人公と兄弟のように寄り添う心優しいアンドロイドが描かれる。だが、脱出を試みて乗り込んだ宇宙船は、実はエイリアンと人間のハイブリッド生命体を作り出す実験施設で、エイリアンの襲撃を受ける中、船内でバージョンアップしたアンドロイドは宇宙船の目的に従う存在に変わり、冷静で非情な判断を下す。それでも最後は主人公側に立ち、共にエイリアンと闘うラストシーンは現代風だと感じる。
 22年の「ChatGPT」登場以降、生成AIは急速に普及している。高度なコンテンツ生成能力と自然な対話力によって、若い世代を中心に「最も身近な相談相手」になりつつあるというが、まさに映画のアンドロイドと重なる。リスクや課題は多いが、生成AIの進化の延長線上にはスクリーンで見た世界が広がっているかもしれない。自分の存命中に地球外生命体が発見されるかは分からず、人類が他の惑星に移住することもまだ想像できない。ただ、自分のためだけに行動するアンドロイドがいる未来は、そう遠くないだろう。(はのは)

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