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発熱外来とAI問診

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 先日、家族が発熱外来のお世話になった。原因はインフルエンザA型で、適切な処方薬により数日で回復したので一安心した。思い出せば数年前までは、多少の発熱ならば市販の解熱剤を飲んで自宅で様子をみることが普通だったが、ここ数年は発熱したら「即病院だ」となりがちだった。5月以降の5類移行でどう変わってゆくのか。
 私自身もコロナ禍で発熱外来を受診したが、発熱外来での診察はつらかった。発熱時は運転不能で家人に連れていってもらった。診察はしてもらえたが、仮設の待合室で横になることもできず、発熱者専用駐車場に止めたマイカーの中で寒気に耐えて待った。診察は新型コロナを前提とした問診が主で、他の症状の問診はなかった。医師も忙しかったのだろう。PCR検査結果は翌日と示されて帰宅したが、夜中に片腕が上腕から手首まで真っ赤に腫(は)れていたことに気が付く。発熱はこの腕の炎症のせいだったのだ。夜間診療の救急外来に直行し、結果は蜂窩織炎(ほうかしきえん)で、適切な治療ができてよかったものの医師の問診の大切さを感じた。
 最近の発熱外来はAI問診の取り入れで改善されている。あらかじめ質問に回答して症状を申し出ておくと対面の問診は最小限で済み、外来の混雑緩和ができる。病院では検査用の検体を提出すればその場で、あるいは翌日に結果がわかる。デジタル化の恩恵だが、問診アプリの使い勝手はもっと改善してほしい。質問項目が多く、小さなスマホ画面から自己申告するのは正直面倒だ。体調不良者が、多くの質問に回答するくらいならば救急車を呼んでしまおうとか、ともかく病院に急ごう、となりかねない。このところ賢いAIの話題には事欠かないが、AI問診も音声入力やカメラを使うなど、テクノロジーをもっと利用し利用者目線で改善してもらいたい。(こゆ美)

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