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特集

リスキリングで新たな高みへ~東京海上ホールディングス

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リスキリングで新たな高みへ~東京海上ホールディングス

さまざまな業界で人材不足が叫ばれる昨今において、保険業界では出産・育児・介護などに関する福利厚生を充実させ、より従業員にとって働きやすい環境を提供する他、今在籍している人材のリスキリング(職業能力の再開発、再教育)などにより、この課題を克服しようとする動きが見られる。特にリスキリングは、技術の進展などによって目まぐるしく変化する市場のニーズの変化に対応していくために、企業にとっては不可欠な要素とも言える。本特集ではそのようなリスキリングに着目し、実際にリスキリングによって社内外で活躍の幅を広げている人物を紹介する。今回は、米国公認会計士(USCPA)、米国認定損害保険士(CPCU)を取得し、東京海上グループ傘下の海外現地法人の経営管理などを担当する東京海上ホールディングスの山名杉太氏に話を聞いた。

東京海上ホールディングス 山名杉太氏



2年間でUSCPA、CPCU取得



海外事業企画部欧米一グループアシスタントマネージャー

二つの資格生かし英国TMKの経営管理担う





海外事業に携わるため



山名氏は、2016年の入社後約3年間に法人営業を担当した後、海上業務部に約3年間在籍し、主に船舶保険の商品管理・開発に携わった。その後2年間、MAP(Management Associate Program)と呼ばれる東京海上グループのグローバル研修プログラムに参加し、トレーニーとしてフィラデルフィア、ヨハネスブルク、トロントのグループ会社に出向し、内部監査やFP&Aなど、ファイナンス周辺分野の業務に就いた。その期間中に研修事務局である東京海上ホールディングスの方針もあり、USCPAとCPCUを取得した。
USCPAやCPCUは、保険・金融業界で非常に高く評価される資格だ。USCPAは米国各州が認定する公認会計士資格で、会計の専門家として国際ビジネスの最高峰に位置付けられ、会計、税務、財務などに関する基本的な能力を有し、米国の会計制度に基づく監査業務を担当できる。日本で会計監査業務を行う場合には、日本の公認会計士と違って監査報告書へのサインを行うことはできないが、それ以外の会計監査補助、会計監査以外のアドバイザリー業務などは行える。また日本国内で国際会計が求められる場面では、この資格に基づくスキルや知識を存分に生かすことができる。
一方CPCUは、リスク管理と損保に関する専門資格として、米国損保業界で最高峰に位置付けられている。コース全体の学習から保険知識のみならず、関連する法律、経営、財務、会計学の知識も習得できる。
山名氏は現在、東京海上ホールディングスの米国の一部、欧州、カナダ、アフリカ、オーストラリアのグループ会社の経営管理を担当する海外事業企画部欧米一グループに所属し、英国の現地法人Tokio Marine Kiln(TMK)の経営管理を担当している。TMKの業績やガバナンス状況を把握・分析し、TMKと東京海上ホールディングス双方が健全な成長を遂げるための課題解決をサポートする。
日々の業務については、「東京海上グループの海外事業に貢献したいという気持ちを入社当時からずっと持っており、今、業務を通じてそうした思いを実現できていることに大きなやりがいを感じている」と話す。



幅広い分野にまたがる学びの有用性



2年間で二つの資格を取得した山名氏の学習方法は、効率性を重視したものとなる。USCPAでは、通信講座の動画を1周見た上でひたすら練習問題を解き、分からない点を潰していく。練習問題を何周か繰り返し解いた上で模試を受け、複数ある科目ごとに行われる本番の試験に臨む。CPCUでも同様のアプローチをとり、テキストを読んだ後に練習問題を繰り返し解き、問題の傾向の把握に努めたという。
学習時間は、平日は業務終了後に3時間程度、週末は8時間を目標にしたと話す。当時の学習について、「せっかく海外にいるのに、ときに家族との時間を犠牲にしながら勉強に時間を費やすことに対して葛藤はあったが、2年間の研修期間中に二つの資格を取り切りたいという思いを糧に努力し続けることができた」と振り返る。
取得した資格については、「保険会社なので当然アンダーライティングは事業の根幹にあり、それを英語で網羅的に学べたのは大きい。また、保険事業だけではなく、会社の経営、会計やビジネス全般について米国の基準に基づく基本的な考え方を学べたことも、現在は米国以外のグループ会社に携わっているものの、大いに役立っている」と話す。具体的には保険の会計や業績の分析、監査のプロセス・結果の理解といった場面でUSCPAやCPCU取得のために得た知識が生きているとし、「さまざまな専門用語が職場や会議で飛び交う中、それらをスルーせずに気付きにつなげることができる」と、その幅広い分野にまたがる学びの有用性を表現する。
将来的なキャリアビジョンについては、海外事業でより経営に近いポジションで活躍していきたいと展望した上で、「東京海上グループの世界でのプレゼンスをさらに高められるよう、成長を後押しできるような仕事をしていきたい」と力を込める。



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