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【保険毎日新聞社 創刊80周年記念特集】保険業界紙の存在意義~創刊80周年に寄せて~

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【保険毎日新聞社 創刊80周年記念特集】保険業界紙の存在意義~創刊80周年に寄せて~

創刊から80年の歩みを刻む保険毎日新聞は、保険業界とともに激動の時代を歩み、現場と経営、社会と制度をつなぐ情報基盤として発展してきた。変化のスピードが加速し、業界を取り巻く課題が複雑化するいま、私たちはあらためて「業界紙とは何か」という原点に立ち返る必要がある。そこで創刊80周年を機に、第一線で活躍する業界関係者お二人に「保険業界紙の存在意義」について寄稿いただいた。

(一社)保険健全化推進機構「結心会」  上野 直昭 会長





『お客さま目線を伝える』



保険ショップ運営代理店の集合体として17年前に結成した結心会ですが、保険毎日新聞社とのお付き合いはいつ頃からスタートしたのか記憶が定かではありません。保険会社勤務時代には地方の支店・支社にいても保険毎日新聞は届いていたので、保険会社の施策、取り組み等を見て「そうなの」「なるほど」くらいの感想を持って拝見していた記憶があります。

結心会は全国各地の保険代理店の集合体でスタートし、3カ月に一度の割合で集まり、直接お客さまからお聞きしたことをベースに、当初は店舗接客マニュアルのブラッシュアップなどもしていました。お客さまが来店されアンケートをご記入いただいた際に「今日が誕生日だった」場合に、保険ショップとして統一した対応をすべきではないかとの意見を得て、参加者全員で「来店されたお客さまの誕生日がたまたま今日であった場合」から始まり「昨日が誕生日」「明日が誕生日」「1週間前が誕生日」「1週間後が誕生日」等々のケースを想定して、それぞれの際にお客さまに何をするかを決め、参加していた全ての保険ショップで屋号関係なく採用したりしていました。また、毎回同じ代理店内でロープレ研修しても緊迫感がないとの声を受け、異なる代理店の募集人を集めてロープレ研修をすることで、互いのトークを学び合うこともしました。

保険ショップの強みは「不特定多数のお客さま」と毎日お会いできることです。不特定多数のお客さまと接することができる強み、イコール「お客さま目線を最も理解している」代理店として、お客さまの声を聴き、参加者で共有し、解決策を皆で考え、皆で実行するという取り組みを結心会では続けており、これを保険毎日新聞に取り上げていただくことで「現場感」「お客さま目線」をお伝えいただいていると考えています。

結心会ではお客さまのお声を受け、いち早く「ヘルスケア」「相続」「終活」「保険外商材やサービス等のご案内」等々に取り組んできました。こうした活動も保険毎日新聞を通じて保険会社社員や保険代理店に伝えていただくことで「共闘」いただける先を探しており、保険毎日新聞に掲載された事業者をご紹介いただいたこともあります。その意味で単なるニュースの伝達媒体にとどまらず、業界内の異なるプレーヤーをつなぐ「情報のハブ」としての役割も担っていると考えます。

特に地方の保険代理店や地方勤務の保険会社社員にとって「情報は宝」でありますが、なかなか入手できるものではありません。ぜひ、「現場感」があり「実際に地元保険代理店が活用できるヒント」を入手いただき、保険毎日新聞を手にして保険代理店を訪問し提案するといったことをしてほしいです。

また、結心会が掲げる「顧客本位」の理念は、個々の代理店だけでなく業界全体に広がることで大きな意味を持つので、業界紙は、そのための共通言語と情報基盤を提供していると考えます。さらに結心会が、その目的である「保険健全化」を達成するには、会員間だけでなく、広く社会や他の業界関係者にも活動を知ってもらう必要がありますので、そのための重要な発信ツールでもあると考えています。小職の携帯電話に全国の代理店さんから「こんなことがあったので聞いてください」といった内容の電話が直接くることがありますが、これも業界紙に取り上げていただいた結果だと歓迎しています。ただ、スピード感とリアル感、一番は「熱量」を共有できないので、業界紙に掲載された方を使ったリアル、オンラインでの講演会を積極的に開催してほしいと思います。紙媒体だけで伝えられない「熱量」を、特に地方の皆さまの手元に届けることが今後の業界紙の役割かと考えます。

映画「ソーゾク」も結心会企画協力で制作・上映され、メディアを活用した取り組みをさらに追求していきたいです。



(一社)日本保険仲立人協会  平賀 暁 理事長





“保険仲立人からみた四半世紀と保険毎日新聞の意義”について



保険毎日新聞の創刊80年にあたり、心よりお祝いを申し上げますとともに、業界発展に深く関わり、貢献してくださっていることに敬意を表するとともに厚く御礼を申し上げます。

私自身が保険業界に関わったのは今から35年前の1990年にさかのぼります。当時はまだ日本には保険仲立人制度がなく、後にマーシュと合併する日本ジョンソン&ヒギンズ(保険代理店)に入社し、翌年にはドイツ、1995年には米国本社に駐在し、1997年にマーシュとの合併を米国本社にて体験しました。1990年代後半は、欧米の保険ブローカーの合併や買収が数多く行われ、ブローカーランキングの上位の顔ぶれも大きく変わりました。日本では1996年の保険業法改正があり、それは日本の保険業界における大きな転換点であり、競争促進、契約者保護、経営の透明性確保を目的とした規制緩和が行われました。海外に駐在中は、まだインターネットが普及する前の時代で、日本からファクシミリで送られてくる保険毎日の記事は日本の動向をタイムリーに知り得る情報源としてとても重要でした。欧米では、1992年にCOSOフレームワークの初版が発行され、1999年にはターンブルレポートが発表されるなど、内部統制やリスクマネジメントが普及され始めていました。それらも保険毎日は紙面で紹介されましたが、当時の日本ではリスクマネジメントに対する認識はあまり高いものではありませんでした。

2000年に帰国して間もなく2001年9月11日の世界貿易センタービルの同時多発テロが発生し、そのことがきっかけで日本の保険業界の再編が起こりました。保険ブローカーにとって保険市場の動向は顧客にベストアドバイスを提供する上で必要不可欠な情報であり、保険毎日の業界動向のタイムリーな報道は貴重なものでした。

リスクマネジメントに対する認識も徐々に高まってきた2000年初めにマーシュブローカージャパンの代表取締役に就任(2002年)し、同時に保険仲立人協会の理事となり、新たな保険業法の改正に向けて金融庁(行政)との関わりを持ち始めました。平行して、2004年からは経済産業省が主宰する“事業リスク評価・管理人材育成システム開発事業”や“リスクファイナンス研究会”の委員の一人として、企業のリスクマネジメント体制の構築と同システムの導入を日本企業に普及を促す活動に携っていましたが、その時期は保険毎日でもリスクやリスクマネジメントに関する記事が海外の情報誌の翻訳を含めて、紹介される機会が増えてきた時期でもありました。

2011年3月11日の東日本大震災、2019年後半から世界的に猛威を奮った新型コロナウイルス、地球温暖化と脱炭素に向けた取り組み、エマージング(新興)リスクとも言われる第4次産業革命に伴う新たなサイバーエリアのリスク、ロシア・ウクライナ戦争や米国を巡る新たな地政学リスクの台頭等々、リスクは多様化してきており、パーマネント(永続)リスクやポリ(複合)クライシスなど、新たなリスクの造語を保険毎日は紹介してきました。2006年には、マーシュ・マクレナンが長期にわたり洞察と分析において協力している、世界経済フォーラム発行のグローバルリスク報告書の概要を、保険毎日に初めてご紹介いただきました。リスクマネジメントの普及にご支援を賜っていることに心より感謝申し上げます。

保険ブローカーは常に企業を取り巻くリスクに対峙していますが、それらのリスクの紹介を保険毎日には今後も継続していただきたいと願います。加えて、購読者層が保険業界に限らず、リスクに向き合っている企業のリスクマネージャーにも広がることも期待しております。



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