IAIS年次総会・コンファレンス開催 東京に世界の保険監督者200機関が参集、プロテクションギャップなど議論
保険監督者国際機構(以下、IAIS)は11月9日、10日の2日間にわたり、東京都港区のヒルトン東京お台場で、2023年年次総会および年次コンファレンスを開催した。また、11月9日には金融庁の主催でサイドイベント「JFSA High-Level Dialogue: The role of insurance in building a resilient society」が開催され、自然災害に係るプロテクションギャップへの対応やサステナブル/トランジションファイナンスの推進等、持続可能な社会の構築に向けて保険が果たす役割について議論が行われた。
保険監督者国際機構(International Association of Insurance Supervisors:IAIS)は1994年に設立され、事務局はスイス・バーゼルの国際決済銀行(BIS)内にある。世界の各国・地域の保険監督当局等の約200機関(メンバー)で構成され、日本は1998年からメンバーとして参加している。IAISは、①効果的かつ国際的に整合的な保険監督の促進による保険契約者の利益および保護に資する公正で安全かつ安定的な保険市場の発展と維持②国際的な金融安定化への貢献―を
続きは新聞でお読みください。
金融庁が今年8月末に発表した「2023事務年度金融行政方針」には、本事務年度における保険会社へのモニタリング方針が記されている。保険会社は、国内外の事業環境の変化に伴い、持続可能なビジネスモデルの構築が求められており、金融庁は保険会社がグループガバナンスの高度化や財務の健全性、自然災害への対応、営業職員管理態勢の高度化、公的保険制度を踏まえた保険募集など多岐にわたる課題について、適切に対応しているかどうかモニタリングすることとしている。また近年、保険業界を揺るがす不適切事案が相次いで発生しており、保険モニタリングの重要性がこれまでになく高まっている。そこで、昨年7月の着任以来、同庁監督局保険課長として保険監督の現場で指揮を振るう三浦知宏氏に、昨今の保険監督の取り組みや、本事務年度における保険モニタリングのポイントについて聞いた。
――昨事務年度を振り返って。
三浦 2022年7月に着任してすぐ、いわゆる節税保険の対応から保険監督としての本格的な仕事がスタートした。本案件では、保険本来の趣旨を逸脱した商品開発や保険募集が問われた。もちろん節税を求める顧客ニーズもあったのだろうが、例えば、国税庁が通達によって税制の解釈を変えるだけで商品としての価値がほぼなくなるような保険を販売していたこと自体が不適切だったと考えており、対象の外資系生保
(2週間無料でお試しいただけます)