T&D保険グループ 23年度末決算 修正利益14%増1035億円 国内3社新契約保険料は31%増に
T&D保険グループが5月15日に発表した2023年度決算によると、グループの経常収益は前期比0.2%減の3兆2079億円、経常利益は同2339億円増の1598億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に海外再保険関連会社(フォーティテュード社)で米国金利上昇に伴う多額の一時的な評価性損失等が発生した反動等で同2309億円増の987億円だった。グループ修正利益は国内生命保険事業における新型コロナ関連の支払減少等の保険収支改善等により同14.7%増の1035億円。24年度の通期業績予想は、経常収益は20.2%減の2兆5600億円、経常利益は12.6%増の1800億円、親会社株主に帰属する当期純利益は5.3%増の1040億円、1株当たり当期純利益は196円23銭を見込む。
株主還元では、24年3月期の1株当たり年間配当金を70円と予定、配当金総額(合計)は前期比31億円増額の374億円で、連結の配当性向は38.2%となる。また、自己株式取得(24年3月期に帰属)について500億円(上限)を実施予定。2025年3月期の1株当たり年間配当金(予想)は10円増配の80円と10期連続の増配を予定している。
T&D保険グループの24年3月期の経常
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4月の再保険更改状況について、スイス再保険日本における代表者の百々敦浩氏にインタビューした。同氏は、再保険の波は世界的な巨大災害や想定外の災害の有無、国際的な金利動向に影響されるが、その意味でマーケット状況は不安が和らいだと述べた。また、今後は、元受保険会社との双方向コミュニケーションを通した継続的かつ長期安定的な関係維持に引き続き留意する必要があると強調した。
環境認識と市場動向
――再保険を取り巻く環境認識、市場動向についてどう見ているか。
百々 昨年は少し落ち着いていたものの、毎年、大陸性の嵐、洪水や山火事、最近では雹災(ひょうさい)といった気象災害が世界各地で頻発し、その損害規模も大きくなっている。こうした災害イベントによる損害は地震やハリケーンと比べて小規模となることが多いが、どこでどのようなイベントが起きるかの予測が難しく、保険業界を悩ませている。気候変動が将来どのように影響するかを考慮する必要もある。複雑さという観点から言うと、コロナウイルスによるパンデミックの影響がどのような形で損保業界を揺るがすか、また、その後起こったロシアによるウクライナ侵攻に関してどこから保険損害が発生するかといった問題がある。言うなれば、実際の社会動乱やイベントを通して、保険がどう活用されるか、社会実装を強いられるような状況が
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