金融庁 「顧客等に対する誠実公正義務」を新たに法定 11月1日から金融サービス提供法施行 「顧客の最善の利益」を重視
「顧客等に対する誠実公正義務」を新たに法定した「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」(金融サービス提供法)が11月1日から施行された。金融庁では、金融商品取引法等の一部を改正する法律(令和5年法律第79号)に係る政令・内閣府令案等を6月27日から7月27日にかけて公表し、広く意見募集を行っていたが、本件に係る政令を10月25日に閣議決定、同月30日公布し、11月1日から監督指針等と併せて施行した。金融庁の意見募集に対しては、31の個人および団体から76件のコメントが寄せられ、10月30日にその結果が公表された。
「顧客等に対する誠実公正義務」の法定は、2022年12月9日、金融審議会市場制度ワーキング・グループ顧客本位タスクフォース中間報告で「「原則 」に定められている金融事業者は顧客に対して誠実・公正に業務を行い、顧客の最善の利益を図るべきであることを広く金融事業者一般に共通する義務として定めることなどにより、「原則」が対象とする金融事業者全体による、「原則」に沿った顧客・最終受益者の最善の利益を図る取組みを一歩踏み込んだものとすることを促すべきである」と提言されたことを受けたもの。
金融サービス提供法第二条第一
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【サイバーリスクの今に迫る⑥】
専門家が今日的なサイバーリスクについて解説する特集の第6回では、エーオンジャパンコマーシャルリスク第二部長の甘利俊之氏、同じくコマーシャルリスク第二部のクライシスマネジメントチームでコンサルタントを務める黒木康正氏に、地政学リスクとサイバーリスクの関係性、エーオンのサイバーリスクに対するソリューションなどについて聞く。地政学リスクに精通する黒木氏は、「地政学リスクの高まりに比例し、サイバーリスクも高まる」と述べ、その重大インシデントの一つに民間の「事業中断」を挙げる。
■サイバー攻撃多発の起点となった事件
黒木氏は、世界的に増え続けるサイバー攻撃には地政学リスクが深く関わっていると述べ、その主な理由として、先進国が持つAIや量子コンピューティング、半導体などの最新テクノロジーに関する技術情報に対するアクセスのために、サイバー空間が悪用されるからだと説明する。国家間の諜報活動、監視活動にもサイバー空間は利用されており、昨今は敵対する国の政治家のスマートフォンにマルウエアを忍び込ませ、動向をモニタリングするといった手法も生まれているという。
こうしたサイバー攻撃が多発するようになった一つのきっかけとして、同氏は2009年から10年にかけて起きた、イラン国内の核
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