東京海上日動 開発途上国インフラ開発資金ギャップ解消へ IFC信用保険プログラムに参画
東京海上日動は昨年12月19日、世界銀行グループの国際金融公社(IFC:International Finance Corporation)が開発途上国のインフラ開発を担う事業者等へ実施する一定の基準を満たす融資を包括的に補償する信用保険プログラム「The Managed Co-Lending Portfolio Program - Real Sector」(以下、MCPP REAL)に英米独大手保険会社14社と共同で参画したと発表した。
MCPP REALは、IFCが開発途上国に所在する事業者に対して行う融資のうち、IFCと保険会社があらかじめ合意した基準を満たすものを対象として、今後4年間にわたって包括的に信用リスクを引受ける保険プログラム。MCPP REALでは、15社の共同参画保険会社により、合計で30億米ドル分の融資に対して共同で保険を引受ける。IFCはMCPP REALを通じて、IFCが持つ融資債権に対する債務返済不能リスクを軽減できることから、開発途上国における開発プロジェクトに対する資金提供と課題解決に向けた取り組みを加速することが可能となる。
開発途上国における持続可能な開発目標(SDGs)の達成に必要とされる開発資金と、実際に提供された開発資金との「資金ギャップ」は拡大しており、国際機関による支援のみならず、民間企業等から開発資金を動員することの重要性が高まっている。
こうした中、東京海上日動は、2023年9月にIFCを契約者として組成された信用保険プログラムであるMCPP FIGⅢへの参画を通じて、開発途上国におけるジェンダー平等や気候変動、貧困等の社会課題の解決を後押ししてきたが、今回、社会課題のさらなる解決に向けて、英米独大手保険会社14社と共同で、IFCがインフラ開発を担う事業者等へ実施する融資のうち一定の基準を満たす融資を包括的に補償する信用保険プログラムであるMCPP REALに参画したもの。なお、このプログラムに参画している保険会社14社には、東京海上グループの米国Tokio Marine HCC社( HCC Insurance Holdings, Inc )も含まれている。
東京海上日動では、開発途上国における持続可能な成長と発展に向けたさまざまな取り組みを進めており、今後も世界銀行グループへの資金動員を通じてインフラの促進によるプロテクションギャップの解消、質の高い教育の提供、ジェンダーギャップの解消等、さまざまな社会課題の解決に貢献していくとしている。
CPCUは「Chartered Property Casualty Underwriter」の称号で、米国損害保険業界の専門資格の最高峰に位置付けられている。CPCU会員協会日本支部では、同資格の認知度向上や会員間の関係強化に向けた取り組みを積極的に進めていることから、同資格のさらなる発展のために、「2024年度CPCU合格手記」を掲載する。(本日付と27日付の上下2回連載)
横河商事
前田 真治
きっかけ
製造業向け計測・制御・情報システムのグローバルメーカーである横河電機の企業内代理店にて、国内グループ会社の保険プログラムを中心とした提案活動・更改業務に従事してきたが、いずれは海外グループの保険手配についても何らかの形で関わっていきたいと考えていた。海外グループの保険については、グローバルなネットワークと専門性を有する保険ブローカーを通じて手配されているため、日常の保険業務で海外との関わりを経験する機会はほとんどなかった。しかしながら、グローバルメーカーの企業内代理店として、グループ内でのプレゼンスをより高めていくためには、海外の保険に関する専門性を身に付け、英語対応力を向上させることが必要であると感じていた。それらを同時に習得できる手段がないか模索していたところ、CPCUの有資格者で、日系重工業メー
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