かんぽ生命 24年度第3四半期決算 純利益は29%増で844億円 修正利益は62%増、1063億円に
かんぽ生命は2月14日、2024年度第3四半期決算を発表した。連結業績では、経常収益は前年同期比2261億円(5.0%)減の4兆3346億円で、うち保険料等収入は同9796億円増の2兆5662億円。経常利益は同973億円(77.6%)増の2227億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同192億円(29.6%)増の844億円を示した。修正利益は同62.3%増の1063億円だった。かんぽ生命単体の基礎利益は、順ざやが改善した一方、一時払終身保険販売を主とした新契約の増加に伴う短期的な費用(初年度に係る標準責任準備金の積増負担)の増加の影響等により、同72億円減の1625億円となった。通期の業績予想についての修正はない。
連結主要業績では、経常収益4兆3346億円の通期業績予想6兆1300億円に対する進捗率は70.7%。このうち保険料等収入は前記のとおり2兆5662億円、資産運用収益は同326億円増の9091億円、責任準備金戻入額は同1兆2548億円減の7828億円だった。
連結の経常利益2227億円の通期業績予想2200億円に対する進捗率は101.3%。四半期純利益844億円の通期業績予想1200億円に対する進捗率は70.4%となっている。
連結の四半期純利益の増加は、新契約の増加に伴う標準責任準備金負担の増加の影響があった一方、運用環境が好転したことによる資産運用収益の増加等が後押しした。新契約の初年度に係る標準責任準備金の積増負担およびのれん償却による影響を調整した修正利益は、前記の通り62.3%増と大幅に増加した。
契約の状況では、個人保険の新契約年換算保険料は、前年同期比125.9%増の1490億円。そのうち第三分野は同29.6%減の58億円だった。
新契約件数(個人保険)は、24年1月に販売を開始した一時払終身保険の影響等により、前年同期比81.4%増の68万件と大幅な増加が継続。内訳は、養老保険が15.2万件、占率22.4%で同33.3ポイント低下、終身保険が49.1万件、同72.2%で同50.1ポイント上昇、学資保険が2.4万件、同3.6%で同12.1ポイント低下した。
保有契約年換算保険料は、個人保険が前期末比2.8%減の2兆9044億円で、うち第三分野が同3.5%減の5450億円だった。個人保険の保有契約件数は、新旧区分合算で前期末比3.0%減の1991.4万件だった。商品別に見ると、養老保険は529.9万件(占率27.7%、前期末実績587.8万件)、終身保険は1104.8万件(占率57.8%、前期末実績1089.4万件)、学資保険は259.2万件(占率13.6%、前期末実績276.3万件)などとなっている。同社では「新区分では新契約件数の増加に伴い、▲15.5万件(▲1.2%)と緩やかな減少となっており、早期の底打ち反転を目指す」としている。
連結の経常費用は前年同期比3234億円減の4兆1118億円で、このうち保険金等支払金は同3322億円減の3兆5293億円、資産運用費用は同79億円増の1985億円、事業費等は同4億円増の3834億円だった。第3四半期の日本郵便に対する委託手数料は同58億円減の853億円。このうち、新契約手数料は同30億円増の216億円、維持・集金手数料は同88億円減の637億円だった。拠出金は同1億円減の422億円だった。
連結の総資産は前期末比3840億円減の60兆4718億円で、純資産は同940億円増の3兆4897億円となった。
「収益追求資産」への投資残高は前期末から2000億円増加し11.3兆円で、総資産に占める割合は18.8%(前期末18.3%)。平均予定利率は前年同期から0.04ポイント下がり1.62%、利子利回りは同0.06ポイント上昇し1.86%だった。
連結ソルベンシー・マージン比率は1014.4%で前期末比12.8ポイント低下した。
エンベディッド・バリュー(EV)は、新契約価値の増加等により、前期末比994億円(2.5%)増の4兆644億円だった。24年4月から12月までの新契約をベースに同年9月末の経済前提を使用した新契約価値は493億円で、新契約価値を将来の保険料収入の現在価値で除した新契約マージンは2.9%だった。
かんぽ生命単体ベースでは、基礎利益は前記の通り1625億円となった。通期業績予想(2200億円程度)に対する進捗率は73.9%。内訳は、保険関係損益が前年同期比431億円減の736億円、順ざやが同358億円増の888億円。キャピタル損益は同312億円増の378億円、臨時損益は同718億円増の216億円。以上の結果、経常利益は同958億円増の2219億円となった。
特別損益が▲301億円、契約者配当準金繰入額が730億円、法人税等合計が346億円となった結果、第3四半期純利益は前年同期比181億円減の841億円となった。
朝日生命は、医療・介護保障の第三分野を中心に商品開発を進めており、特に介護保険については、「民間介護保険の普及は当社の社会的使命」と考え、「介護保険といえば朝日生命」という存在感の発揮に向け、継続的に取り組んできた。2012年4月には、「人生100年時代」の介護への“不安”を“あんしん”に変えるため、支払事由を公的介護保険制度に完全連動させた「あんしん介護(介護一時金保険、介護終身年金保険)」を発売。最新(24年度)の取り組みでは4月に公的介護保険制度の要介護1以上の認定で一時金を支払う「初期介護一時金特約」を発売した。商品開発部シニアアソシエイトの大道麻奈氏に特長を聞いた。
――介護関連商品の歴史や特徴を。
大道 公的介護保険制度に完全連動させた「あんしん介護(介護一時金保険、介護終身年金保険)」は、シンプルで分かりやすい商品性を評価いただき、13年に生命保険商品単体では初となるグッドデザイン賞を受賞した。12年以降は、16年に通常の介護に比べて経済的負担が大きくなる認知症に特化した「あんしん介護認知症保険」、18年に公的介護保険制度の要支援2以上の認定を保障する「あんしん介護 要支援保険」、20年に認知症の前段階となる軽度認知障害(MCI)を保障する「軽度認知障害保障特約」を提供し、ラインアップの充実を図ってきた。「あんしん介護
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