保険業法改正法案が成立 附帯決議 施行後5年待たず再検討の余地も 顧客本位の業務運営の徹底さらに促す
3月7日に内閣が第217回国会に提出した「保険業法の一部を改正する法律案」が衆議院財務金融委員会、参議院財政金融委員会の審議を経て附帯決議を付し5月30日に可決した。衆議院の賛成会派は、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、有志の会、参政党、日本保守党で、反対会派はれいわ新選組。両院の委員会の審議では、立法事実に関して保険業界や政府・監督当局に対して厳しい指摘が相次いだ。
国会で法案に付された附帯決議は、以下の通り(衆議院)。
■保険業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
一 今般の保険金不正請求事案及び保険料調整行為事案の再発防止策が、本法による措置及び下位法令への委任のほか、顧客本位ではない比較推奨販売の禁止、代理店への過度な便宜供与の禁止及び企業内代理店規制の見直しなどの監督指針等による対応を含む多面的な構造となっていることに鑑み、当局のモニタリングを総合的に行う態勢を確立するほか、業界における顧客本位の業務運営の徹底をさらに促すことなどにより、当該再発防止策の実効性を担保すること。
二 保険業
続きは新聞でお読みください。

村上氏は、過去2年間のハード化による大幅な料率引き上げ等を受けハード化からソフト化へと市場環境が転換したものの、過去数年の料率上昇を踏まえると、依然として料率は高い水準を維持していると述べた。また、1月に発生したロサンゼルス山火事の4月更改への影響は限定的であり、今後、大規模自然災害が同一年に複数回発生し、再保険者の業績が大幅に悪化するような事態でない限り極端なレート上昇や条件の引き締めは生じないが、自然災害以外では賠責が引き続き業界全体としての重要論点であることから、慎重姿勢を維持する必要があるとの考えを示した。
再保険を取り巻くマーケット環境
――再保険を取り巻く環境認識、市場動向についてどう見ているか。
村上 現状に触れる前に過去を少し振り返ると、近年の自然災害の激甚化・頻発等により、再保険者の収支の悪化が継続していた中で、2022年9月にハリケーン・イアンが発生した。これに加え、金利の上昇に伴い再保険資本が減少し、22年12月末時点で前年対比▲15%だった。その一方で、インフレやエクスポージャーの増加に伴う再保険需要が拡大し、結果として需給バランスが崩れ供給不足となったため、23年更新ではグローバルベースで未曾有のハードマーケットとなり、出再者にとっては再保険が手配しづらい状況となった。通常であれば、ハード化
(2週間無料でお試しいただけます)
