損保協会 消費者に対する車体整備の透明性確保で 車体整備協同組合連合会と「共同宣言」 整備業界と協調し適時・適切な説明と支払い推進
損保協会と日本自動車車体整備協同組合連合会は5月30日、車体整備の消費者に対する透明性確保に向けた取り組みの一環として、消費者に安心して事故車の車体整備やその保険金支払を受けてもらうための環境整備の観点から、国土交通省の「車体整備の消費者に対する透明性確保に向けたガイドライン」(2024年3月29日付公表)を踏まえた取り組みを実施していくことで共同宣言を実施した。
共同宣言は以下のとおり。
お客さまに対する車体整備の透明性を確保するための取組みについて
日本自動車車体整備協同組合連合会
一般社団法人日本損害保険協会
車体整備にかかわる関係業界として、我々は、自動車ユーザーであるお客さまを第一に考え、「車体整備の消費者に対する透明性確保に向けたガイドライン」(2024年3月29日付公表)を踏まえた以下の取組みを行い、十分な根拠に基づいた業務を遂行します。この取組みを通じて、お客さまに対する透明性確保を推進してまいります。
1.お客さまのために行う自動車整備業界の取組み
事故車の車体整備にあたり、各種情報の記録・保存を行うとともに、関係者(元請会社・損害保険会社・損害保険代理店等)と協調し、必要な情報共有を行いつつ、適時・適切なご説明を推進します。
2.お客さまのために行う損害保険業界の取組み
事故車の保険金支払いにあたり、お客さまのご意向や車体整備業者から提供を受けた各種情報を踏まえ、自動車整備業界と協調し、適時・適切なご説明と保険金支払いを推進します。2025年5月30日
旧ビッグモーター社による一連の事案の発生を受け、国土交通省が策定した「車体整備の消費者に対する透明性確保に向けたガイドライン」(以下、「ガイドライン」)では、「自動車ユーザーである消費者の視点に立つと、車体整備サービスを受ける判断を行う際や提供された車体整備サービスの妥当性・適切性を判断する際において、消費者にとって必要な情報が適切に提供されることは極めて重要になる」ことが指摘されており、車体整備事業者には、従来以上に自動車修理にかかる透明性を確保することが求められている。
「ガイドライン」では、「車体整備の消費者に対する透明性確保に向けて、車体整備事業者において実施することが求められる取組み」として、①車体整備作業に係る画像情報の記録・保存②車体整備作業の内容・方法に係る情報の記録・保存③車体整備の料金に係る情報の記録・保存④車体整備に係る情報の関連付け⑤消費者等への適切な説明と消費者等の了承―、さらに、同じく「車体整備事業者において実施することが望ましい取組み」として、①車体整備作業の見える化②消費者に対する積極的な情報発信―が示されている。
損保業界でも、適切な保険金支払のため、会員会社は、自動車ユーザーである消費者に対して損害保険金の認定内容に関する適切な説明を行うことが求められており、この説明にあたっては車体整備事業者から必要な情報の提供を受けられるよう、協調を図っていく必要があるところから「共同宣言」が実施された。
なお、損保協会では「顧客本位の業務運営」および「健全な競争環境の実現」のために、この5月に第2回となるガイドライン等を踏まえた会員会社の取り組みのフォローアップを行い、6月4日にその結果を公表している。2023年11月改定「損害保険の保険金支払に関するガイドライン」のフォローアップでは、「お客さまのための制度運営の徹底/自動車修理工場に対する適切な損害調査(実効性の確保)」という観点からのフォローアップ結果として、「各種取組みについて、ほぼ全ての社で実効性の確保に向けた確認を実施。加えて、より厳格な対応を行うべく、追加取組みを行う社も確認」とコメントしている。
損保協会では、「今後も会員会社は共同宣言の内容に基づき、車体整備事業者との協調を図り、自動車ユーザーであるお客さまに対する保険金支払いの透明性確保を推進していく」としている。
損害保険料率算出機構(以下、損保料率機構)は5月22日、同機構のウェブサイトで新たなウェブページ『General Insurance Data Space』を公開した。昨今、自然災害が多発・激甚化する中、それらの分析や防災・減災等の社会課題の解決にあたり、損害保険のデータが注目されている。こうした社会のニーズに応えるべく、同機構では、研究促進やリスク啓発に寄与する実用的・研究的価値の高い損害保険データを広く社会に提供するとともに、損害保険データの利活用をこれまで以上に促進するための取り組みを進めており、今回の公開はその取り組みの一環だという。
「General Insurance Data Space」のポイントは三つあり、一つ目は、同機構がこれまでに公表している「損害保険料率算出機構統計集」や「保険の概況」に分散して掲載されていた各種統計表を、その保険種目ごと・目的ごとに一つのウェブページ一元的にまとめたこと。二つ目は、それらをCSV形式のデータでダウンロードできるようにしたこと。そして三つ目は、自然災害にかかる損害保険の支払データをはじめとする、①過去の主な風水災等による火災保険の支払データ(2011年~23年度)②過去の主な風水災等による自動車保険の支払データ(20年~23年度)③過去の主な地震による地震保険の支払データ(16年~21年度)④
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