3メガ損保 24年度末決算 政策株式売却等で過去最高益
3メガ損保各グループの2024年度決算がまとまった。親会社株主に帰属する当期純利益や修正利益は政策株式の売却益増に加え、海外事業での円安影響等により大幅な増益となった。(2面に3グループ各社とAIG損保、共栄火災の種目別保険料・保険金の一覧表を掲載)
東京海上ホールディングスの連結正味収入保険料は前期比10.0%増の5兆3051億円、連結経常利益は同73.3%増の1兆4600億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は同51.7%増の1兆0552億円と1兆円の大台に乗った。さらに修正純利益は同71%増(5034億円増)の1兆2150億円(政策株式売却益を除くと同6%増の6089億円)となった。国内損保事業での円高進行の影響、政策株式売却益の計上が要因。25年度通期業績予想では、政策株式については年間で6000億円の売却を計画し、当該売却益を含む修正純利益予想を1兆1000億円としている。当期純利益は11.8%減の9300億円と予想。
MS&ADインシュアランスグループホールディングスの連結正味収入保険料は前期比9.7%増の4兆6743億円を計上した。親会社株主に帰属する当期純利益は同87.3%増の6916億円、グループ修正利益は同3518億円増益の7317億円で、純利益・修正利益ともに過去最高益を更新した。25年度の通期業績予想では、正味収入保険料を5.2%増の4兆9160億円、当期純利益を16.3%減の5790億円、グループ修正利益を607億円減益の6710億円と見込む。
SOMPOホールディングスの連結正味収入保険料は前期比8.8%増の4兆0165億円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は同1.7%増の4229億円で過去最高益を計上した。修正連結利益も同14.9%(433億円)増の3343億円で過去最高となった。同社グループでは25年3月期の有価証券報告書から連結財務諸表について国際財務報告基準(IFRS)を任意適用することとしており、26年3月期の連結業績予はIFRSに基づき作成している。それによると、親会社の所有者に帰属する当期純利益は3350億円、修正連結利益は平年値ベースで対前年+650億円の3630億円を見込んでいる。なお、24年度の修正連結利益3343億円は、IFRSベースでは3234億円となり、これについて同社は「IFRS任意適用で修正利益は+400~500億円程度切り上がるが、24年度は海外保険事業の特殊要因(カリフォルニア山火事、円高など)により対旧基準で▲109億円となった」と説明している。
日本の保険業界では、乳がんや子宮頸がん等、女性特有の疾患に関する保険は以前から存在していたが、21年頃から大手保険会社を中心にフェムテック(女性の健康課題をテクノロジーの力で解決する)分野の新商品・サービスが開始された。サービス内容は各社で異なるが、不妊治療をはじめ、従業員の妊活を金銭面と精神面で支援するものが多く、その背景には、22年4月からの不妊治療の保険適用など法改正が追い風になっているという。公的保険適用により、不妊治療を行う女性が増加し、働きながら不妊治療を行う環境を整備したいと考える企業が、自社の福利厚生として導入するケースが多くみられるという。
さらに、保険会社は「郵送ホルモン検査サービス」など、女性ヘルスケアに特化した先端医療技術を提供しているスタートアップの商品やサービスをパッケージ商品として取り入れており、また、新型コロナ禍で産後うつが3倍に増加し、複数の少額短期保険分野で『産後うつ』の保険が販売されるなど、保険業界全体で女性の健康課題に関する保険・サービスが注目されているとし、「今回のイベントでは、すでに保険会社と連携しているスタートアップ3社に登壇いただき、フェムテック×福利厚生の事例について紹介いただくことで、今後ますますスタートアップ×保険会社の事例を増やしていきたいと考えている」と述べた。
参加者からは、「一般ユーザー
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