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住友生命 25年定時総代会開催 「なくてはならない保険会社グループ」実現へ 決議事項で「総代立候補制の新設」承認

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 住友生命は7月2日、大阪府大阪市のホテルニューオータニ大阪で「2025年定時総代会」を開催した。高田幸徳社長が24年度決算概要や事業報告、25年度の取組方針などを説明した他、決議事項として24年度剰余金処分案承認の件、社員配当金割当ての件、定款等一部変更の件、総代候補者選考委員会10人選任の件、取締役11人選任の件など6議案を審議し、全て承認された。高田社長は25年度について、「スミセイ中期経営計画2025」の最終年度にあたることから、「Vision2030」で掲げるありたい姿「ウェルビーイングに貢献する『なくてはならない保険会社グループ』」の実現に向けた軌道を確立していくとの考えを示し、「中期経営計画の総仕上げと26年度以降に向けた体制構築を進めていく」と述べた。

 総代会で高田社長は、「住友生命グループVision2030」について、住友生命グループの2030年のありたい姿を「ウェルビーイングに貢献する『なくてはならない保険会社グループ』」とする「住友生命グループVision2030」を掲げていると述べ、「住友生命グループVision2030」の実現に向け23年度にスタートした3カ年計画「スミセイ中期経営計画2025」では、サステナビリティ重要項目の取り組みを促進すると同時に、①ウェルビーイングデザインへの進化②新規領域でのイノベーションの実現③収益構造改革④グループ戦略―の四つに注力していると述べた。四つの取り組みの推進エンジンとして、「人財共育」や「デジタル&データ」の取り組みを進めながら事業のサステナビリティを高めるよりよい企業風土の醸成や事業リスク対策も進めていることを強調した。
 24年度事業報告では、「スミセイ中期経営計画2025」の2年目として各取り組みの浸透・レベルアップを図るとともに、新たな商品やデジタルを活用したサービスの提供や非保険領域への展開をより一層進めることで、「ウェルビーイングに貢献する『なくてはならない保険会社グループ』の実現に向けた取り組みを加速させた」と報告した。
 また、経営方針に基づきサステナビリティ経営を推進する上で、①保険事業を通じた健康寿命の延伸②保険事業を通じた安心の提供③持続的・安定的な成長の実現④ステークホルダーとの信頼関係の構築⑤サステナビリティを支える経営体制―の五つを「サステナビリティ重点項目」と定め、24年度も引き続き“住友生命「Vitality」”を通じた健康寿命社会への貢献や社会・環境課題の解決等に取り組んだと述べた。 
 「ウェルビーイングデザインへの進化」については、保険のコンサルティングを軸とした商品・サービスの提供だけではなく保険以外の領域も含めたサービスを総合的に提供するために、「ウェルビーイングデザイン」へと進化させることを通じて顧客を守り・増やしていくとともにこれまで以上に地域に根付き顧客に寄り添い続ける社会の実現に向けて取り組んだとした。
 リテール部門では、Vitality健康プログラムの魅力向上に向けた施策や、24年9月に特定3疾病に対して幅広く、何度でも支払い可能な「3大疾病PLUS ALIVE」を発売したことに加え、25年3月に若年層向けに元本割れリスクのない「貯金以上、投資未満。」をコンセプトにしたダイレクトチャネル専用商品「Chakin」の発売を通じて、ファイナンシャル・ウェルビーイングへの貢献に取り組んだと述べた。
 ホールセール部門では、幅広いニーズに応えるために企業保険の提供や法人向けサポートメニューの充実等、総合的な企業福祉制度の実現に向けたサポートに取り組み従業員の健康増進活動を後押しする企業向けサービス「Vitality福利厚生タイプ」を24年6月に発売し、24年度末時点で累計2800以上の企業に導入されたことを報告した。
 さらに、地方創生等への貢献を目的に全国の自治体との連携を進め地域住民にVitality健康プログラムの一部を無償提供する「Vitalityウォーク」を70以上(24年度末時点)の自治体で実施するなど充実した暮らしを支え、地域に根付いたウェルビーイングサービスの提供に注力したと説明した。
 「新規領域でのイノベーションの実現」については、「一人ひとりの『よりよく生きる』」に貢献するためにWaaS(Well―being as a Servic)を開発するとともに新規領域におけるサービスを充実させることで、住友生命グループのサービスを受ける顧客の拡大に取り組んだとした。
 具体的には、重症化予防や健康寿命延伸の取り組みや、企業向け「不妊治療と仕事の両立支援」ソリューションの「Whodo整場(フウドセイバー)の提供、24年10月に業界初となる目の治療に特化したミニ保険「めまもりほけん」を発売したことを報告した。
 「収益構造改革」については、機関投資家として中長期の安定的な運用収益の確保と持続可能な社会の実現への貢献との両立を目指して取り組みを進めたとし、中長期の安定的な運用収益の確保に向けては、二つのポートフォリオ運営に注力。「ALM運用ポートフォリオ」では、保険金等の確実な支払いを目的として安定的に運用し、「バランス運用ポートフォリオ」では、一定のリスクの範囲内で運用収益の向上を目指しているとした。
 また、持続可能な社会の実現への貢献に向けてESGテーマ型投融資の拡大や投資先企業との対話に取り組んでいる他、国内外のイニシアティブ活動に参加しているとした。
 さらに海外事業については、国内事業の収益を補完して保険金等の支払余力の向上と持続可能性の強化を図ることを基本方針として北米とアジアを海外事業展開の軸に位置付け、特にアジア事業戦略において、24年3月に子会社化したシングライフのPMI(買収後統合)の実施やシメトラ社と同社を交えた3社間シナジーの創出に向けた検討を行ったと述べた。
 「人財共育」については、次世代リーダーを担う人財の育成に向けて社長と管理職の直接の対話機会を設けることを通じて、管理職共育のレベルアップに取り組み、「グッドキャリア企業アワード2024」で「大賞(厚生労働大臣表彰)」を受賞したことを報告した。
 「デジタル&データ」については、顧客体験価値向上に向けた各部門での取り組みの実行支援や、デジタル人財育成の推進、23年度に導入した生成AIの利用対象者を拡大するなど最新のデジタル技術の活用による業務効率化を進めたとした。
 また、よりよい企業風土の醸成に向けて、「お客さま本位の業務運営」のさらなる推進のため、役員層と職員との対話機会の拡充や「住友生命グループ行動規範」の浸透を図ることで、職員が相互に尊敬しあう企業風土を醸成したと述べた。
 経営基盤の強化については、資本政策面では、財務の健全性確保に向けた自己資本の充実・態勢整備を進めるとともにリスク対応力強化とのバランスを踏まえつつ、契約者配当による還元の充実に取り組んだとした。
 経営管理面では、経営方針に基づいた消費者志向経営を推進し、顧客の声や社会の要望を経営に生かす態勢を整備した他、ガバナンスのさらなる充実という観点から25年総代改選で総代候補者の一部を自薦者から選定するとともに総代立候補制導入に向けた検討を進めたと述べた。
 決議事項では、第3号議案の「定款等一部変更の件」の「総代立候補制の新設」については既報のとおり、総代候補者選考委員会が行う公募に立候補した人から選出すること、総代候補者選考委員会が行う公募に立候補した人から選ばれる総代の人数は総代の定数180人のうち最大20人であることなどの説明が行われ、その他の5議案を含めて承認された。

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