かんぽ生命 25年度第1四半期決算 純利益は65%増346億円 新契約件数は一時払終身販売減で60%減
かんぽ生命が8月8日に発表した2025年度(26年3月期)第1四半期決算によると、投資信託の解約益が前年同期比減少したものの、新契約の初年度に係る標準責任準備金負担の減少や、運用環境の好転等による順ざやの増加等により、連結の四半期純利益は前年同期比137億円(65.4%)増の346億円、連結修正利益は純利益に対し新契約の初年度に係る標準責任準備金負担の減少を除いたこと等により、同15億円(4.6%)増の351億円となった。個人保険の新契約件数は一時払終身保険の販売減少等の影響により同60.6%減、保有契約件数も前期末比1.7%減で、引き続き早期の底打ち反転を目指すとしている。
連結修正利益の通期業績予想は「1420億円程度」とされており、当期351億円の進捗率は24.7%となる。その他の連結業績では、経常収益は前年同期比2.1%減の1兆4341億円で、通期業績予想の5兆6400億円に対する進捗率は25.4%。このうち、保険料等収入は同4442億円減の5767億円、資産運用収益は同422億円減の2909億円、責任準備金戻入額は同4619億円増の5503億円だった。経常費用は同305億円減の1兆3667億円で、このうち保険金等支払金が同169億円減の1兆1702億円、資産運用費用が同33億円減の762億円、事業費等が同105億円減の1197億円だった。経常利益は同1.0%減の674億円で、進捗率は28.1%。
かんぽ生命単体ベースでは、投資信託の解約益が前年同期比で減少したものの、新契約の初年度に係る標準責任準備金の積増負担の減少等による保険関係損益の増加、順ざや(ヘッジコスト考慮前)の増加、および危険準備金繰入等の減少により、四半期純利益は前年同期比154億円増の359億円。基礎利益は同485億円増の920億円となった。内訳は、保険関係損益が同267億円増の446億円、順ざやが同218億円増の473億円で、このうち為替に係るヘッジコストは同54億円増の▲114億円だった。基礎利益の通期業績予想は「3200億円程度」とされており、当期473億円の進捗率は28.8%となる。経常利益は同8億円増の683億円。四半期純利益は同154億円増の359億円となった。
個人保険の新契約件数は一時払終身保険の販売減少等の影響により、前年同期比60.6%減の11.6万件に落ちた。内訳(占率)は養老が4.5万件で39.0%、終身が6.2万件で53.7%、学資が0.5万件で5.0%、その他が2.3%となる。終身53.7%のうち一時払終身は41.5%。なお、25年3月期第1四半期の個人保険の新契約件数は29.5万件だった。内訳(占率)は、養老が5.8万件で19.7%、終身が22.3万件で75.5%、学資が0.9万件で3.1%、その他が1.6%だった。終身75.5%のうち一時払終身は69.5%だった。
個人保険の新契約年換算保険料は前年同期比57.9%減の268億円だった。チャネル別の内訳(占率)は、支店(法人営業)が97億円で36.4%、かんぽサービス部が118億円で44.2%、郵便局(含む簡易局)が52億円で19.5%となり、リテールと法人の割合は6:4となった。なお、25年3月期第1四半期のチャネル別内訳(占率)は、支店(法人営業)が113億円で17.7%、かんぽサービス部が210億円で32.9%、郵便局(含む簡易局)が315億円で49.4%で、リテールと法人の割合は8:2だった。
第三分野の新契約年換算保険料は同26.8%減の15億円。チャネル別の内訳(占率)は、支店(法人営業)が0億円で2.5%、かんぽサービス部が10億円で67.7%、郵便局(含む簡易局)が4億円で29.8%となっている。
個人保険の保有契約件数は、新旧区分合算で前期末比1.7%減の1849.4万件だった。商品別内訳(占率)は、養老は491.2万件(26.6%、前期末実績511.3万件)、終身は1093.2万件(59.1%、前期末実績1099.1万件)、学資は247.2万件(13.4%、前期末実績253万件)、その他は1.0%となっている。
個人保険の保有契約年換算保険料は2兆0983億円で前期末比1.8減%(新旧区分合算で2兆8028億円、同1.9%減)、うち第三分野が2924億円で同1.4%減(新旧区分合算で5303億円、同1.4%減)となった。
第1四半期の委託手数料は前年同期比80億円減の224億円。このうち、新契約手数料は同50億円減の37億円、維持・集金手数料は同30億円減の186億円だった。拠出金は同3億円増の144億円だった。
外国債券等の収益追求資産の投資残高は、前期末比3502億円増の11兆4627億円で、総資産に占める割合は19.5%(前期末18.7%)に拡大した。平均予定利率は前年同期から0.03ポイント下がり1.60%、利子利回りは同0.16ポイント上がり2.00%で、前年同期比218億円増の475億円の順ざやを確保した。
連結の総資産は前期末比6256億円減の58兆9300億円で、純資産は同1401億円増の3兆3815億円となった。
連結ソルベンシー・マージン比率は901.2%で、前期末比2.0ポイント低下した。
エンべディット・バリュー(EV)は、国内株価上昇による国内株式の含み益の増加等により、前期末比2.0%増の4兆0189億円だった。
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