三井住友海上 大企業向けに企業財産包括保険の特約で提供 震度インデックス型地震補償を開発
三井住友海上は7月23日、10月1日以降始期契約より、企業向け火災保険の特約としてオーダーメイドの震度インデックス型地震補償「地震災害時費用等補償特約(震度連動型)」の販売を開始すると発表した。大規模地震発生時に速やかな保険金支払いで企業の事業継続を支援する。
「地震災害時費用等補償特約(震度連動型)」は、三井住友海上の企業向け火災保険「プロパティ・マスター(企業財産包括保険)」にセット可能な特約。契約時に顧客の拠点敷地ごとの震度観測地点(気象庁、地方公共団体および国立研究開発法人防災科学技術研究所が設置する約4400カ所の震度観測地点の中から、顧客の拠点敷地に最も近い二つの震度観測地点を設定する)と震度別(震度6弱以上)の保険金の額を設定する。地震発生時には、被害の有無や程度にかかわらず、観測した震度に応じて契約時に定めた金額を保険金として支払う。損害調査や保険金請求なく速やかに支払うことが特長だ。
設定可能な保険金の額などは、顧客の拠点敷地所在地や資産・営業規模等により決定するが、契約の設定例として、以下の例が示されている。
◎敷地別1回の地震ごとに支払う保険金の額:
▽A工場(震度6弱=5億円、震度6強=15億円、震度7=30億円)
▽B工場(震度6弱=1億円、震度6強=4億円、震度7=9億円)
▽C工場(震度6弱=1億円、震度6強=3億円、震度7=5億円)
◎保険期間通算の支払限度額:30億円
今回の新特約の開発について同社では、「大規模地震が発生した際、建物等の直接的な損害に加え、インフラや物流の停止等により、多くの企業で事業継続が困難となる状況が想定される。また、損害調査や修理業者のひっ迫等により、保険金支払いも通常より時間を要する可能性がある。このような中、当社では中小企業向けの震度インデックス型地震補償商品として「震災クイックサポート」(2022年8月発売で最大1000万円の補償を提供)を販売しているが、昨今の南海トラフ地震発生確率の引き上げ等を背景に、大規模地震を想定したリスクファイナンスの重要性が高まっており、大企業でも事業継続資金に充てる当座費用を早期に受け取りたいというニーズが顕在化してきた。これを受け開発に至った」と説明、既に提供している企業向け火災保険の特約「地震危険補償特約」や、「地震デリバティブ」に加えて新たな特約を提供することで、企業の多様なニーズに応え、大規模地震にも耐えられる持続可能な社会の構築を支援していくとしている。
「同保険は従業員のけが、病気、休業時の所得などの補償があり、お客さまのニーズに合わせて柔軟に設計が可能。プロチャネルはお客さまに対してコンサルティングを行い、お客さまごとに最適な補償プランを設計・提案している」と話す。
発売当初は、特に建設業において政府労災保険に上乗せして補償する「任意労災保険」としてのニーズが高く、販売実績を重ねてきた。
近年は、中小企業においても「人材確保」が経営課題になっており、働き方改革を実現するための法規制等も加わり、「健康経営」への関心が高まっている。同保険は企業の福利厚生の一環として活用できる付帯サービスも充実していることから、補償と付帯サービスのパッケージとしての企業からの評価も高い。
また、販売チャネルにおける工夫も進んでいる。
例えば、代理店向けデジタルプラットフォームによるオペレーションスキーム「ハイパープロテクトプログラム」を導入し、代理店の契約手続きの簡素化・ペーパーレス化を実現した。これにより代理店業務の効率化と販売現場の生産性向上を支援している。
■今後の計画や展望
前島氏は、「同商品は、来年(26年)、発売から20周年を迎える企業向けの主力商品として、今後も企業の経営課題に対しソリューションを提供できるよう、補償や付帯サービスの開発・改
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