かんぽ生命 グローバル・アトランティック運用 再保険ビークルへ20億米ドル投資 KKR等との戦略的提携契約による協業
かんぽ生命は7月30日、グローバル投資会社の KKR & Co.Inc. (以下、子会社と合わせてKKR)、および年金保険と資産運用ソリューションを提供する大手企業でありKKRの100%子会社である Global Atlantic (以下、グローバル・アトランティック)との間で、グローバル・アトランティックが新たに運用する再保険ビークル(以下、同ビークル)へのかんぽ生命による20億米ドル(約3000億円)の投資について正式に決定し、契約書の締結を行ったと発表した。
かんぽ生命は同ビークルに50%を超える出資持分を保有することを想定しており(かんぽ生命が保有する本ビークルの議決権は今後、必要な認可等を取得した上で、10%とする予定)、同ビークルは、グローバル・アトランティックの保険事業および再保険事業のほか、戦略的投資事業も投資対象とする想定。運用開始時期は、今後必要な認可等を取得した上で、2026年前半までに開始することを想定しているという。
投資はキャピタルコール方式により複数回に分けて段階的に行う予定で、かんぽ生命は、この投資が同社の26年3月期の連結業績に与える影響は現時点で軽微と見込んでいる。
今回の投資は、かんぽ生命によるグローバル・アトランティックをスポンサーとする投資ビークルへの追加の投資であり、23年6月に締結したかんぽ生命、KKRおよびグローバル・アトランティックとの間の戦略的提携契約に基づく協業の一環として行うもの。
かんぽ生命では、「KKRおよびグローバル・アトランティックがグローバル保険市場のニーズに応えるために提供してきた優れた投資能力や保険領域の専門的知見を活用することにより、かんぽ生命のグローバル成長戦略の促進ならびに収益源の多様化を大きく推進することができると考えている。加えて、この戦略的提携は、KKRおよびグローバル・アトランティックのグローバル保険戦略の推進の一環で、KKRが20年にわたり拠点を置いてきた重要市場である日本へのKKRとグローバル・アトランティックの深いコミットメントをより強固にするものであるとともに、グローバルの保険会社の顧客に対して、それぞれのニーズに合致した資産運用ならびに再保険ソリューションの提供能力をより一層向上させるもの。また、かんぽ生命による本投資は、グローバル・アトランティックの米国およびグローバル市場での継続的な拡大を支援するとともに、急速に増大する世界中の高齢者人口の退職保障ニーズへの対応に寄与するもの」としている。
かんぽ生命の谷垣邦夫取締役兼代表執行役社長は、「本投資は、23年6月の戦略的提携契約締結以降、KKRおよびグローバル・アトランティックとの新たな協業領域の拡大を目指して取り組んできた案件だ。提携から約2年が経過し、相互理解が深まり、米国市場でのKKRおよびグローバル・アトランティックのプレゼンスの高さを実感する中で、グローバル・アトランティックが新たに設立する再保険ビークルへの投資を決断した。堅調な米国年金市場およびグローバルの再保険市場からの収益を取り込むために、再保険ビークルへの追加投資を行うことは、弊社の収益源の多様化につながるほか、双方に利益をもたらすと考える。今後も引き続き両社とWin―Winの関係を構築していく」とコメントしている。
今秋、遺産相続をテーマとする映画「ソーゾク」が全国で劇場上映される。平凡な家庭の相続トラブルにスポットを当て、相続に関する法律や対処法を面白おかしく解き明かしながら家族や人生の在り方を問う社会派コメディだ。映画の制作には、一般社団法人保険健全化推進機構「結心会」が企画協力として参加した。高齢化社会の課題である相続問題の解決に寄与するとともに、映画の自主上映を通じて相続問題を広く認知させ、相続相談、生命保険販売へとつなげることが狙いだという。映画公開を前に、企画を担当した㈲ベストブレーン取締役の兼田仁氏と結心会会長の上野直昭氏に、作品の意図や代理店に求められる役割などについて聞いた。
――相続をテーマとする映画を企画した経緯について。
兼田 5年ほど前に、「ソーゾク」の監督・脚本家である藤村磨実也氏から「相続問題をテーマにした映画をオリジナルで制作したい」と提案されたことが始まりだ。藤村氏は以前に、介護現場における問題や人と人とのつながりの大切さなど介護業界の裏側を描いた映画「ケアニン」の脚本を手掛けており、その経験を通じて高齢化社会の課題の深刻さを痛感したとのことで、「介護の次に日本人が避けて通れない課題は相続問題だ。誰もが直面する『相続』の現実を、映画を通じてしっかりと伝えていきたい」という熱い思いを打ち明けられた。
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