東京海上HD、東京海上日動 AI高度活用で業務プロセス再設計 Salesforceと戦略的提携
東京海上ホールディングスと東京海上日動は8月8日、顧客体験のさらなる向上に向けて、㈱セールスフォース・ジャパン(東京都千代田区、以下、Salesforce)と戦略的提携を行ったと発表した。コンタクトセンター・代理店・営業課支社の業務品質向上をAIとデータで支援していくことで顧客体験のさらなる向上を目指す。
今回の戦略的提携では、東京海上HDと東京海上日動でのAIとデータを活用したプロセス変革・システム開発の中核人材の育成にも取り組む予定。Salesforceの専門人材と共に、主に①顧客体験の向上②AIの高度活用を前提とした業務プロセスの再設計―の重点領域に取り組むことを想定しているという。
①の「顧客体験の向上」では、「Agentforce」などを活用したコンタクトセンターの構築による保険加入からアフターサービスまでシームレスな体験の提供、および顧客データプラットフォームとAIを組み合わせることで、顧客のライフスタイルやニーズに応じた最適な保険商品を提案する仕組みの構築を目指す。
②の「AIの高度活用を前提とした業務プロセスの再設計」では、営業課支社・代理店・コンタクトセンターなどの顧客接点での業務について、AI・データ活用を前提に業務プロセスの再構築を図る。
近年、AI技術等の急速な進展に伴い、保険業界でもこれまでにないレベルでの顧客体験の向上が求められている。東京海上グループでは、AIとデータを活用した顧客体験の向上と、顧客起点の業務プロセスへの変革を推進しており、保険にとどまらない新たな価値創造に取り組んでいる。
Salesforceは、顧客管理システム・営業支援システム・顧客データプラットフォームなどの領域で世界的な実績を有し、AIとデータを活用した顧客体験の向上と業務プロセスの標準化において豊富な知見と技術力を持つ。東京海上グループでは既に、東京海上日動の「代理店システム(東京海上日動TNEXT)」や「コンタクトセンターシステム」などを中心にSalesforce製品群を業務基盤として活用しており、今後のAIの高度活用を前提とした業務プロセスの再設計でも中核的な役割を担うという。また、Salesforceが昨年提供を開始した自律型AIエージェント「Agentforce」(注)を業務に取り入れることで、東京海上グループ全体で顧客体験のさらなる向上を目指すとしている。
(注)ノーコード・ローコード開発基盤を採用しており、すぐに活用を開始できる導入の容易さに加え、LLM(大規模言語モデル)の選択が可能な拡張性と柔軟性を備えている。
日本生命では4月1日付で、副社長だった朝日智司氏が新社長に就任した。就任時の記者会見で朝日氏は、2024年発表の中期経営計画で“目指す理想の企業像”として掲げた「安心の多面体」の実現を強調し、人口減少・少子高齢化による市場縮小という大きな課題に直面している国内生命保険事業に注力していく方針を示した。朝日氏に、同事業の鍵となる業界最多4万7842人(24年度末時点)の営業職員チャネルによる提供価値の拡大や、就任以前から重点的に取り組んできた地域貢献活動など、今後の事業戦略について聞いた。
――就任3カ月で取り組んだことは。
朝日 就任以降、役員にも協力を仰ぎながら全国の支社に赴き、各地でタウンホールミーティングなどを行って現場職員の声を聞いてきた。定期総代会も終えて一区切りがついた今は、中期経営計画に掲げた目指すべき社会像『誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会』と企業像「安心の多面体」の実現に向け、「まっすぐ、お客さまへ。もっと、地域、社会のために」の基本方針をどのように具体的な行動として現場職員に浸透させていくかということを考え、行動していくフェーズに入っている。
――国内生命保険市場の現状認識は。
朝日 この10年の人口減少の影響に関しては、保険料収入自体に大きな変動はない。これは生命保険各社がさま
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