金融庁 「2025事務年度金融行政方針」公表 ポイントの一つ「保険業界の信頼の回復と健全な発展に向けた対応」 「資産運用・保険監督局」「銀行・証券監督局」2局体制目指す
金融庁は8月29日、2025事務年度の金融行政の重点課題および金融行政に取り組む上での方針を「2025事務年度金融行政方針」として策定、公表した。「1 金融機能の更なる発揮を促し、持続的な成長に貢献する」「2 金融システムの安定性や公正性・安全性への信頼を確保する」「3 国民への貢献のために常に進化し続ける組織をつくる」―以上三つの施策を推し進めていくとしており、主なポイントとして、「地域金融力強化プランの策定」「人的資本開示・NISAの一層の充実」「暗号資産・ステーブルコインに関する施策の推進」「協同組織金融機関における適切な経営管理及び業務運営の確保」「組織体制の不断の見直しと金融行政の進化」とならび「保険業界の信頼の回復と健全な発展に向けた対応」が挙げられた。
金融庁では2025事務年度(25年7月~26年6月)は、「1 金融機能の更なる発揮を促し、持続的な成長に貢献する(金融機能の向上を促す施策を通じて、企業・経済の持続的な成長と国民の安定的な資産形成に貢献する。ブロックチェーンやAI等のデジタル技術については、利用者保護等を図りつつ、これらを用いた金融サービスの変革を促す)」「2 金融システムの安定性や公正性・安全性への信頼を確保する(金融機関における財務の健全性や不正の防止を含めた適切な業務運営及びそれを支えるリスク管理態勢を確保するため、実効性ある監督・検査を実施し、金融システムの安定性や公正性・安全性への信頼を確保する)」「3 国民への貢献のために常に進化し続ける組織をつくる(質の高い金融行政サービスを提供し続けていくために、金融庁のバージョンアップを図っていく)」―を押し進めていく。
「1 金融機能の更なる発揮を促し、持続的な成長に貢献する」で、保険セクターに関しては、「(2)資産運用立国の推進と企業価値の向上⑥資産運用サービスの高度化、アセットオーナーの機能向上」で、▽家計やアセットオーナーの最善の利益を勘案した質の高い資産運用サービスが提供されるよう促す▽資産運用会社や信託銀行、生命保険会社等のサービスの提供者を横断的にモニタリングし、その結果を取りまとめて公表する」としている。
また、「同(4)損害保険を活用した企業のリスクマネジメントの促進」では、「企業を取り巻く経営環境が大きく変化する中で、損害保険を活用したリスクマネジメントを促していく」とし、▽国内外で事業展開する企業にとって、自然災害の頻発・激甚化、地政学リスクの顕在化などにより、事業中断を余儀なくされるリスクのほか、訴訟やインフレによる損害額の高騰を要因とする損失の拡大リスクが高まっている。企業がこうしたリスクを適切に管理しつつ、成長に向けた投資を推進していく観点からは、それぞれの企業やプロジェクトのリスクを個別に織り込んだ損害保険商品が取引される市場を育成していくことが重要である。このために、関係省庁とも連携し、企業と損害保険会社との間での具体的ニーズやリスク管理の知見に係るコミュニケーションを促し、関係者間での共通理解の醸成に取り組む▽このほか、自然災害の激甚化が進む中で、既存の保険では十分にリスクがカバーされない保険プロテクションギャップの課題に関し、G20等における国際的な議論を牽引していく―としている。
「2 金融システムの安定性や公正性・安全性への信頼を確保する」では、「(1)金融システムの安定の確保、リスクへの対応」「①より実効的な監督・検査に向けて」で、「リスク特性を横断的視点から把握しつつ、金融機関の規模・特性に応じた優先課題を特定するため、2025事務年度、金融庁は、専門的横断テーマのモニタリングを担当する部局(以下、「横断モニタリング部局」)を監督局長の下で総括審議官が指揮することとし、従来の監督各課と横断モニタリング部局を、より一体的・効果的に運用する体制とした」とあり、「(2)金融機関や金融市場の公正性・安全性に対する信頼の確保」で①金融犯罪への対応②不公正取引規制の強化等―に続き、「③保険業界の信頼の回復と健全な発展に向けた対応」が取り上げられた。
「損害保険業界の信頼を揺るがすような保険金不正請求事案や保険料調整行為事案の再発防止を図り、顧客本位の業務運営の徹底と健全な競争環境を実現する。また、保険業界における情報漏えい事案を踏まえた、保険会社の適切な情報管理態勢を確保するため、監督・検査を実施していく」とし、▽改正保険業法(25年5月に成立)の施行に向けて、政府令の整備や監督指針の改正を進め、複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店(損害保険代理店・生命保険代理店)における適切な比較推奨販売の確保、大規模な乗合代理店に対する体制整備義務の強化や保険仲立人の活用促進等を図る▽保険会社及び保険代理店等において、改正保険業法等を踏まえた適切な業務運営がなされるよう、金融庁及び財務局の監督体制を強化していく▽保険会社等における適正な情報管理を確保するため、情報漏えい事案への対応として25年8月に改正した監督指針に照らしてモニタリングを行う―としている。
また、「3 国民への貢献のために常に進化し続ける組織をつくる」では、「…足元の行政課題に対応するため、必要な体制強化を進めていく。各分野のビジネスの発展、イノベーションの促進を図り、それぞれの監督・モニタリングの高度化を更に進めるため、業務の一層の増加が見込まれる監督局を2局体制とし、「資産運用・保険監督局」及び「銀行・証券監督局」を設置することを目指す。その上で、5年後、10年後、20年後も質の高い金融行政サービスを提供し続けていくために、金融庁の組織及び職員の政策立案・実行能力を継続的に向上させていく。こうした取組を全庁的に進めるため、「金融庁20年委員会」を長官直轄のチームとして設けた。このチームを中心に全職員で取組を進め、金融庁のバージョンアップを図る。また、これらの取組を通じた金融行政の高度化において、引き続き、財務局と密に連携していく」としている。
カーディフ生命は、2001年に“がんと診断されたらローン残高がゼロになる”日本初のがん団信を開発して以来、大切な家と暮らしを守る保障のラインアップを広げてきた。2000年の事業開始以来、業界初となる数々の商品を開発し、がん団信をはじめ、三大疾病や重度慢性疾患への保障、それ以外の病気やけが、失業時の保障、さらには自然災害による居住不能への保障など、住宅ローンを中心とした各種ローンへの幅広い保障を提供。同社とその子会社であるカーディフ損保が協働し、金融機関のニーズに合わせて、最適な保険ソリューションをカスタマイズして提案している。
最近も保障内容を拡大
24年6月には、金融機関の住宅ローンでペアローン利用者に向けて、どちらか一方の「万が一の場合」だけでなく、がん等の重篤な病気から身近な病気・けがまで保障し、二人のローン返済額の合計額を保険金として支払う「ペアローン向け全疾病保障付き連生団体信用生命保険(ペアローン連生団信)」の提供を、PayPay銀行を通じて開始した。
また、24年10月にカーディフ損保から、住宅ローン債務者が特定の「心疾患・脳血管疾患」により60日以上継続入院したときに一時金を支払う保障を提供開始。同年12月には、「認知症」と診断された場合や、「うつ病」などの特定精神障害により入院もしくは働けない状態が
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