損保ジャパン/SOMPOリスク 日揮グローバル・Momentickと業務提携 メタン排出検知ソリューションを提供 貨物保険契約者に無償でリスクレポート
損保ジャパン、SOMPOリスクマネジメント、日揮ホールディングス㈱の海外EPC事業会社である日揮グローバル㈱(山田昇司代表取締役社長執行役員)および Momentick Ltd.(Daniel Kashmir CEO、以下、Momentick)の4社は業務提携し、8月22日からメタン排出検知に関するソリューションの提供を損保ジャパンの顧客向けに開始した。損害保険と連携したメタン排出検知ソリューションの提供は日本初とのこと。
メタンは、二酸化炭素の28~84倍程度の温室効果を有している。その影響度の大きさから、2021年9月にメタン排出削減を目指した国際的なイニシアチブである Global Methane Pledge が開始され、2030年までに世界のメタン排出量を20年比で30%削減する目標が掲げられている。また、今年6月20日に開催された液化天然ガスLNGの生産国と消費国が集う「LNG産消会議2025」においても、LNGバリューチェーン全体でメタンを含む温室効果ガス(GHG)の排出削減への取り組みおよびLNGの低炭素化を進める方針が確認されている。
LNGの安定的な調達・供給と低・脱炭素社会を同時に実現していく上で想定される、生産国と消費国における企業の新たなリクに対応するため、損保ジャパン、SOMPOリスク、日揮グローバルおよびMomentickは、損保ジャパンの貨物保険に加入している顧客向けに、メタン排出検知ソリューションの提供を開始した。
本ソリューションでは、SOMPOリスクが衛星画像から特定の資産周辺におけるメタン排出の量と場所の解析を行い、損保ジャパンにその結果と評価をリスクレポートとして提供する。損保ジャパンではこのレポートを保険引受のリスク評価に活用するとともに、顧客に無償で提供し共有化を図る。顧客は損保ジャパンから提供されたリスクレポートを活用して、メタン排出の可能性がある箇所を把握し対応について検討することが可能となる。
希望する顧客には、損保ジャパンと業務提携している日揮グローバルの地上センサー、空中ドローン等を使った高精度のGHG実測サービスまたはMomentickのソフトウエアを紹介する。日揮グローバルはメタン排出のMRV(注)に関するコンサルティングやメタン実測サービスの提供、Momentickはソフトウエアを活用した任意の地点のメタン排出の分析、排出レポート・データ・知見の提供―を有償で実施することになる。日揮グローバルは、GHG排出量定量化サービスである Hi
GH Guard?の提供を行っており、メタンを含めたGHG排出量の定量化および削減のために必要な技術・手法に関する知見と実績を積み重ねてきている。また、Momentickは、独自のソフトウエアによって衛星画像から特定の資産周辺におけるメタン排出箇所や量を高い解像度で解析を行うサービスを提供している。
なお、SOMPOリスクが発行するリスクレポートについては、今後、今年6月29日に打ち上げに成功した温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)シリーズの最新型衛星(GOSAT―GW)データの活用を予定している。GOSAT―GWは高性能マイクロ波放射計3(AMSR3)と温室効果ガス観測センサ3型(TANSO―3)を搭載しており、SOMPOリスクは、国立環境研究所との意見交換を通じて得られた知見を踏まえた排出量の推定手法を設計し、リスクレポート作成を行う。GOSAT―GWによる観測データの分析および活用については、技術的監修ならびに実務面での助言等、環境省気候変動観測研究戦略室および国立環境研究所地球システム領域衛星観測センターが協力する予定とのこと。
(注)MRVとは排出量の定量化の一連のプロセスのこと。 Measur ement (測定)、 Reporting (報告)、 Verification (検証)の頭文字をとったもの。
日本アクチュアリー会は9月8日、晴海アイランドトリトンスクエア(東京都中央区)で第50回東アジアアクチュアリー講座(ASEA講座)の開講式を実施した。近隣諸国へのアクチュアリー学普及等を目的とする同講座は、東アジアをはじめとする各国・地域の若手アクチュアリーを対象に年に1回日本で開催するもので、日本の保険商品や保険市場、保険会計などに関する講義の他、アクチュアリーの実務に関する意見交換などを行う。今回は9月8日から12日までの5日間にわたり実施され、東アジア・東南アジア15の国と地域から25人の若手アクチュアリーが参加した。
開講式では、主催者を代表して同会の渡部仁理事長があいさつを行った。同氏は昨年に同会が創立125周年を迎えたこと、会員数が着実に増加していること、そして同講座が50回目の節目を迎えたことを紹介し、「今回も15の国と地域から25人の参加者を迎えることができ、大変うれしく思う」と述べ、参加者一人一人を歓迎した。
また、今年3月にミャンマー・タイで発生した大地震にも触れ、被災者への哀悼の意を示した上で、「こうした災害の頻発化は地域共通の課題だ。的確なリスク管理による保険制度を構築する上で、アクチュアリーの役割はこれまで以上に重要になっている」と強調した。
さらに、同講座を通じて参加者同士の絆を築き、東京
(2週間無料でお試しいただけます)
