第一生命HD 25年度第2四半期(中間期)決算 修正利益2311億円で進捗率56%に 通期予想4700億円に上方修正
第一生命ホールディングスが11月14日に発表した2025年度第2四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比1.4%減の5兆1195億円、連結保険料等収入は同7.4%減の3兆3310億円となった。連結経常利益は同7.7%減の3433億円で、連結中間純利益は同10.1%減の2096億円。グループ基礎利益は同10.7%減の2733億円。グループ修正利益は同6%減益の2311億円で、期初予想対比の進捗率は56%と計画を上回る進捗となった。修正ROE(年換算)は約11.3%で、順調な積み上げにより安定して10%を超える水準を確保している。同社では順調な利益進捗や第一生命の株式売却見通しの修正等を踏まえて、通期連結業績と期末配当の予想を修正し、修正利益予想を従来予想の4100億円から4700億円に、1株当たり配当金(期末)の予想を前回発表予想の24円から3円増額し27円にそれぞれ引き上げた。
同社では中期経営計画のリスク削減計画に基づき、25年3月期に計画通り第一生命で国内上場株式売却を実施した結果、株式リスクは中計開始時点から縮減。26年3月期についても計画に基づく売却を進める一方で、国内株式相場の上昇に伴い、9月末時点の株式時価残高は3月末時点を上回っている状況だとした。こうした状況を踏まえ、27年3月末の国内上場株式の時価残高目標2.8兆円に向けて、中計で定めるリスク削減方針に基づき本年度中の追加売却を実施するとし、本年度の売却時価は当初計画分と合わせて約7000億円となる見込みとしている。
順ざやの拡大に向けた取り組みでは、国内金利の上昇が継続するマーケット環境を踏まえ、円確定利付資産の入替え規模を増額。株式売却に伴う利配収入低下をオルタナティブ投資拡大や円確定利付資産の入替え等による利回り向上で相殺し、順ざやは着実に拡大。今期実施のオペレーションにより、年換算ベースで250億円程度の順ざや改善を見込むとした。
なお、修正利益・当期純利益の主な差異要因については、米プロテクティブの修正共同保険式再保険(Modco)等の影響による損失が発生し会計利益は一定の影響を受けるも本質的な利益創出力には影響はないとし、また、M&Aの実行に伴いのれん償却額は増加。Daiichi Re(バミューダ)の評価性の損失は米信用スプレッドが縮小傾向にあり、損失幅は減少しているとした。
通期予想は前記のほか、経常収益10兆3220億円(前回発表予想9兆1620億円)、経常利益7000億円(同6170億円)、親株主に帰属する当期純利益4000億円(同3470億円)、1株あたり当期純利益109円84銭(同94円65銭)―にそれぞれ引き上げた。
第2四半期末の契約実績では、グループの新契約価値(概算値)は、豪TALで前年度の大型団体保険獲得の影響が剥落し減少した一方で、主に金利上昇の影響により第一生命で増加し、グループ全体では前年同期比18%増の1063億円。
グループ計の新契約年換算保険料は、国内は第一フロンティア生命で円貨建商品の販売が増加、海外は豪TALで前期に獲得した大型団体保険の影響が剥落し、全体で前年同期比11.8%減の2684億円。国内4社計では同1.7%増の1930億円となった。第一生命が同5.4%減の530億円、第一フロンティア生命が同4.1%増の1291億円、ネオファースト生命が同16.1%増の72億円、アイペットが同5.8%増の37億円だった。海外6社計では同34.2%減の754億円。
グループ計の保有契約年換算保険料は前年度末比2.8%増の5兆0971億円だった。国内4社計では同2.9%増の3兆4163億円。第一生命は同0.2%増の1兆9491億円。第一フロンティア生命は同7.2%増の1兆3224億円、ネオファースト生命は同1.9%増の1020億円、アイペットは同5.5%増の428億円。
第一生命グループのその他の指標で、グループEVは、第一生命が保有する国内株式相場上昇の影響等で前期末比11%増の約9.1兆円。グループ資本充足率(ESR)は、金利上昇による大量解約リスクの増加等により所要資本が増加した一方で、国内株式の上昇等により適格資本の増加幅が上回ったことから、同約7ポイント増加の約217%。連結ソルベンシー・マージン比率は同41.4ポイント増の684.8%だった。
グループ各社の業績では、第一生命の保険料等収入は前年同期比629億円(6%)増の1兆1375億円、資産運用収益は同43億円増の7298億円だった。経常費用は同103億円増の1兆7990億円で、このうち保険金等支払金は同869億円増の1兆2421億円、責任準備金等繰入額は同1億円増の43億円、資産運用費用は同805億円減の2276億円、事業費は同31億円増の2070億円だった。
基礎利益は保有契約減少の影響等により保険関係損益が悪化したことで、同35億円(2%)減の1566億円。うち順ざやは、投信等からの利配収入の減少を円建債券やオルタナ資産(プライベートエクイティ等)の増配、ヘッジコスト減少等で相殺し、同25%増の610億円。中間純利益は基礎利益の減益を有価証券売却益の増加で相殺し、同107億円(7%)増の1586億円だった。修正利益は保険関係損益の減少を有価証券売却損益の改善や順ざやの増加で相殺し、同7%増の1586億円(期初予想対比達成率59%)となった。
第一フロンティア生命の保険料等収入は前年同期比2816億円(17%)減の1兆4121億円、資産運用収益は同156億円増の1457億円だった。経常費用は同7176億円減の1兆5457億円で、このうち保険金等支払金は同6965億円減の1兆2297億円、責任準備金等繰入額は同2593億円増の2609億円、資産運用費用は同2724億円減の32億円、事業費は同74億円減の420億円となった。基礎利益は同93億円(23%)減の319億円。中間純利益は保有契約の拡大により順ざやが順調に拡大したものの、円建商品等の非出再商品の販売増加に伴う新契約費用の増加等に伴い減益となり、同64億円(37%)減の112億円。MVA関連損益を除いた修正利益は同58億円(39%)減の92億円。グループ内出再分を含めた利益貢献額は、米国市場でのスプレッド縮小に伴いDaiichi Re(バミューダ)からの利益貢献がプラス寄与に転じたものの、同222億円(66%)減の117億円だった。
ネオファースト生命の保険料等収入(再保険収入を除く)は、がん保険の販売が引き続き好調に推移したことに加え、経営者向け新商品の導入効果も継続したことにより保有契約が増加し、前年同期比24億円(5%)増の503億円となった。中間純利益は販売増加に伴う新契約費用の増加等による事業費増等により同11億円減の▲24億円だった。修正利益は同11億円減の▲24億円。
海外事業では、米プロテクティブの営業利益は、買収事業で保険金等の支払いが増加した一方で、プロテクション事業で保険金等の支払いの減少、リタイアメント事業で子会社の Concourse Securities の売却益、運用収益の増加が貢献し、前年同期比37%増の3億3000万米ドル。単体の当期純利益は株価低下に伴う評価損の計上等により同10%減の1億8100万米ドル、修正利益は当期純利益から+7400万ドル調整されて同34%増の2億5500万米ドル。事業費削減によるコスト下振れや傘下代理店の売却益等が貢献し期初予想を超過した。
豪TALは、基礎的収益力は、保険金支払いが増加したことで前年同期比9%減の2億1400万豪ドル。当期純利益は、信用スプレッドの縮小に伴う社債の時価上昇等により評価益が増加し、同10%増の2億5100万豪ドル。金利変動等の影響を除外した修正利益では同2%減の2億1300万豪ドル。同社は26年3月期第2四半期から持分法を適用しChallengerの取り込みを開始する。
第一生命ベトナムの保険料等収入は、銀行窓販チャネルでは販売が増加した一方で個人代理人チャネルでは減少し、前年同期比2%減の8兆9850億越ドン。当期純利益は、保険料等収入の減少と保険金・解約返戻金等の支払いの増加等により同8%減の1兆0110億越ドンだった。
日本生命は今年3月19日に「カスタマーハラスメントへの対応に関する方針」を公表し、社内外に対して、同社役職員を守るため、カスタマーハラスメントには毅然とした対応を行う旨を明らかにした。同社役職員を守るためのさらなる方策を検討する中で、役職員ならびに顧客の双方がより同社のカスタマーハラスメントに対するスタンスを理解、意識できる実効的な方策が必要と考え、9月には顧客対応業務に関わる職員に対してキーホルダーの配布を行った。お客様サービス部に詳細を聞いた。
――キーホルダー配布の背景は。
当社の役職員ならびにお客さまの双方が、当社のカスタマーハラスメントに対するスタンスをより理解、意識できるように方法を検討していた。そうした中で、過度に主張しすぎることなく、また、職員自身も付けたい箇所、タイミングを自身で選択し活用できるものとして、主に対面でお客さま対応業務を担う職員へのキーホルダー配布を採用した。
――これまでの配布先は。
藤澤 9月24日に全支社に配布した。なお、キーホルダーの配布対象は主に顧客対応業務を担う営業職員のほか、ライフプラザや代理店領域の職員へも配布している。すでに約5.5万個を配布済で、現時点で今後の追加配布は予定してない。
――3月19日の「カスタマーハラスメントへの対応に
(2週間無料でお試しいただけます)
