生保協会 定例会見 生保募集人呼称公募に9191件 不適切手段による情報取得事案で質疑
生命保険協会の高田幸徳協会長は11月21日、東京都千代田区の同協会会議室で定例会見を開いた。会見では今年度の施策の一つである生命保険募集人の呼称の一般公募について、応募総数が9191件になったことを報告した。質疑応答では、ニッセイ・ウェルス生命で発生した出向者による不適切な手段での情報取得事案(本紙11月28日付2面で詳報予定)についての質問で、協会としての対応については「前回の会見で報告した通り、個社ごとの対応が適切との考えから協会主体での調査は行わないという考えに変わりはない」と述べた。
会見の冒頭、高田協会長は11月18日に大分県で発生した大規模火災の被災地と被災者に対してお見舞いの言葉を述べた上で、各社で災害救助法の適用地域の被災者に対する保険料払込猶予期間の延長などの特別措置を講じているため、生命保険会社に問い合せをしてほしいと呼び掛けた。
次に、9月19日から開始した生命保険募集人の呼称の一般公募について、11月11日に募集を終了し、応募総数が9191件だったことを報告。今後は事務局で選考を行い、12月に最終審査委員会を開催する予定だとした。高田協会長は、「多くの人がこの取り組みに関心を寄せ、たくさんのアイデアを出してくれた」と謝辞を述べた。
質疑応答では、主に各社で発生した出向者による不適切な手段での情報取得事案に関する質問が寄せられた。協会としての所感や対応に、ついて聞かれると、「顧客本位の業務運営を推進するために業界全体の体制整備を後押ししており、本件についても9月の理事会で、各社で個社の実態に合わせて適切な対応を行うことが重要であることをあらためて認識した」「今後、各社で引き続き必要な対応が進められていくため、協会として代理店との適切な関係構築に向けて、ガイドラインを踏まえた各社の取り組みをフォローアップするなど、業界全体のレベルアップを支援していく」と回答した。
また、「協会として新たな対応が必要ではないか」という質問については、「個社ごとに代理店への出向に関する契約内容が異なっていることから、協会全体として統一的な対応を行うことは馴染まないと考えている」と述べた。
さらに、「不適切な情報取得事案について、どういう状況になれば協会として対応を行うのか」という質問に関しては、「今回の事案では、大規模な個人情報漏えいなどではないため、あくまで個社ごとの対応を後押ししていく」との考えを示した。
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DX人材の活躍の場
同社は、2008年の開業以来、大量の人材と紙を必要とする生命保険のビジネスモデルを大きく転換し、さまざまな手続きをペーパーレスで完結させることを実現してきた。
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