東京海上HD 25年度第2四半期(中間期)決算 修正純利益7550億円で進捗率69% 通期予想1兆1100億円に上方修正
東京海上ホールディングスが11月19日に発表した2025年度第2四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比0.6%増の4兆3678億円となった。グループの正味収入保険料は同0.4%減の2兆6858億円。連結経常利益は同6.1%減の8802億円で、中間純利益は同0.2%減の6868億円となった。グループの修正純利益(Actualベース)は同161億円減の7550億円。25年度通期の連結業績予想を修正し、経常利益1兆2300億円(前回発表時予想1兆2700億円)、親会社株主に帰属する当期純利益9100億円(同9300億円)とした。
同社は併せて、9月30日を基準日とする剰余金の配当(中間配当)の実施および当年度期末の配当予想の修正を発表し、今期の業績予想を勘案し、年間配当金は1株当たり210円から1円引き上げ1株当たり211円とし、中間配当を1株当たり105.5円とするとともに、期末配当は同105.5円とした。
25年度の自己株式取得は既に1100億円実行済みだが、EPS Growthを+2%分押上げる水準やM&Aパイプライン(公表済みのボルトオンM&Aを含む)等を総合的に勘案し、下期に1300億円実行、年間2400億円に拡大する(年初公表対比+200億円)。25年9月末のESRは155%だった。下期の自己株式取得1300億円実施後のESRは152%(移動制約資本控除前は195%)の見込み。
政策株式削減では、「29年度末までに政策株式“ゼロ”」に向けた進捗は順調で、25年度通期の売却予定額は6600億円と、年初計画対比+600億円上方修正した。26年度末にはIFRS純資産対比20%程度となる見込みとしている。
第2四半期末のグループの修正純利益は、国内損保事業での自然災害の減少やレートアップ効果の順調な発現に加え、海外事業での好調な保険引受、北米キャピタル損の減少等がけん引し、政策株式売却益を除くベースでは3672億円で年初予想対比52%の進捗率(過去5年平均は49%)と順調だった。政策株式売却を前倒しで実行(半期で約5800億円)したため、同売却益を含めた修正純利益は前記の通り7550億円で進捗率は69%(過去5年平均は55%)だった。
修正純利益の通期予想(Actualベース)では、海外主要拠点での好調な保険引受や北米キャピタル損の減少の一方、外貨間為替の影響や金利低下等に伴うアジア生保での減益、東京海上ダイレクトでの引受拡大を企図した広告費用増加等により、年初予想対比▲280億円の6720億円とする。含む政策株式売却益では売却加速を踏まえ、同+100億円の1兆1100億円とする。
グループの正味収入保険料の内訳は、国内は前年同期比3%増(除く為替)の1兆4191億円で、海外は同5%増(除く為替)の1兆2671億円。通期では引続き規律ある引受を徹底し、対前年+4%(年初予想は+6%)を見込む。
生命保険料は、国内生保事業でのブロック出再の影響により前年同期比3%減(除く為替)の3361億円で、年初予想対比でおおむねオンペースとしている。海外は同4%増の3648億円で、通期でも足元の好調な引受を織り込み、期初予想の7180億円(+0%)を7500億円(4%)に上方修正した。生命保険料全体の通期予想では年初予想(8500億円、除く為替で55%増)を引き上げ、対前年62%増の8900億円を見込む。
国内損保事業で、東京海上日動の保険引受利益は前年同期比150億円増の699億円で、進捗率は65.4%。自然災害・各種準備金等の影響を控除したベースでは同35億円増の1164億円で、自動車保険の事故頻度の上振れに伴うロスコスト上昇や新種保険の大口事故増加の影響に加え、自動車保険のレートアップは10月であるため、進捗率は46.9%と低位にとどまった。一方、事業別利益は同277億円増の937億円で、年初予想の1470億円に対する進捗率は63.8%と高い(過去5年平均は46.0%)。自然災害の減少やヘッジコスト減少等の資産運用収益の増加により、過去平均の進捗率を大幅に上回って推移した。一過性の影響等(自然災害・為替)を除いたベースの進捗率は56.1%でおおむね年初予想通りの進捗。
正味収入保険料は前年同期比3.4%増の1兆3200億円で、家計地震・自賠責を除いた民保合計では同3.5%増の1兆2219億円。増収率は年初予想(4.1%増)を下回るものの通期ではオンペースの進捗とした。
E/I損害率は国内自然災害の減少を主因に年初予想をやや下回って推移し、前年同期比1.6ポイント低下し61.6%。事業費率は同0.6ポイント低下し30.8%で、下期にITコストの増加等を計画しており、社費率・手数料率ともにおおむね通期予想の範囲内の推移としている。コンバインド・レシオ(民保E/Iベース)は同2.1ポイント低下し92.5%だった。
資産運用等損益は、前年同期比338億円減益の6570億円で進捗率は115.3%と、年初予想(5696億円)を大きく上回って推移。ネット利息及び配当金収入(インカム)が期初計画時点で未確定だった海外子会社からの配当金により年初予想を大きく上回ったほか、売却損益等計(キャピタル)が政策株式売却の早い進捗により年初予想を上回って推移、ヘッジコストもやや下振れた。当期純利益は同206億円減益の5754億円となった。
日新火災の正味収入保険料は前年同期比0.1%減の828億円。保険引受利益は同22億円増益の▲15億円だった。経常利益は同28億円増益の▲1億円、中間純利益は同35億円増益の3億円となった。
国内生保事業では、東京海上日動あんしん生命の新契約年換算保険料は、前年同期比14.7%減の189億円となった。競争激化に伴う販売下振れにより年初予想を下回って推移しているが、9月発売の新商品の販売は順調な滑り出しとしている。保有契約年換算保険料は前年度末比1.6%減の7512億円となった。当期純利益は前年同期比130.9%増の313億円。基礎利益は同38.8%増の267億円。事業別利益はトップラインの下振れに伴う初年度負担の減少等により年初予想を上回って推移し、同39.6%増の326億円。年初予想に対する進捗率は69.6%だった。
海外保険事業の正味収入保険料は、一部種目でソフト化影響はあるものの、フィラデルフィアやデルファイ、TMSRの好調な引受拡大により前年同期比4.2%減の1兆6350億円で、除く為替では4.6%増と年初計画(同4.1%増)を上回って推移した。このうち北米は同6.5%減の1兆1121円、欧州は同3.2%減の1219億円、中南米は同4.6%増の1674億円、アジア・オセアニアは同2.6%減の1435億円、中東・アフリカは同2.0%減の238億円だった。海外保険事業の事業別利益は同6.4%減の2354億円。ロサンゼルス山火事(▲約240億円)や外貨間為替(▲約160億円)の影響はあるものの、フィラデルフィアやデルファイ、TMSRの好調な保険引受や、北米キャピタル損の下振れ(+約180億円)により、全体ではおおむねオンペースで進捗。除く為替では3.4%の増益だった。なお、主要拠点の第3四半期実績は、現地年初計画対比+約330億円(うち保険引受利益+約140億円)としている。
日本企業では、人手不足が深刻化する一方で、同一企業内に人材が余る部門も存在し、組織構造や人事制度に起因する慢性的な人材のアンバランスが広がっている。DXやAIの導入により業務プロセスが急速に変化する中、ジョブ型人事制度やスキルの可視化といった取り組みも進んでいるものの、現場では適材適所の人材配置や能力活用が十分に機能しておらず、流動性の向上につながっていないケースが散見される。
こうした背景の下、同社は企業内の人材ミスマッチが企業経営や人的資本投資に与えるリスクを整理し、今後の人材マネジメントの最適化に向けた方向性を提言することを目的に実態調査を実施した。
調査では、「量(需給)」「質(能力・スキル)」「報酬(処遇)」の三つの視点から人材ミスマッチの実態を分析した。
「量」では、調査対象企業の約9割が「人材不足」、約6割が「人材過剰」と回答し、両方が同時発生している企業は61%に上った。特に30代では約7割、40代でも半数以上の企業で需給のアンバランスが生じており、「育成不足」や「配置のたらい回し」など、働き盛り世代の活用に課題があることが明らかになった。
「質」では、人材が職務要件を満たしていない「アンダースペック」または人材の能力を生かしきれていない「オーバースペック」が約8割の企業で発生。特に30代・40代のオ
(2週間無料でお試しいただけます)
