3メガ損保 25年度第2四半期(中間期)決算 修正利益好調で通期予想引上げ
3メガ損保各グループの2025年度第2四半期(中間期)決算は、修正利益が各社とも予想対比好調で通期予想を上方修正した。(2面に3グループ各社とAIG損保、共栄火災の種目別保険料・保険金の一覧表を掲載)
東京海上ホールディングスの正味収入保険料は前年同期比0.4%減の2兆6858億円だった。為替影響を除くと国内は同3%増の1兆4191億円で、海外は同5%増の1兆2671億円となる。東京海上日動の正味収入保険料は同3.4%増の1兆3200億円だった。中間純利益は同0.2%減の6868億円となった。修正純利益(政策株式売却益含む)は7550億円で通期業績予想に対して69%の進捗率を示した。国内損保事業での自然災害の減少やレートアップ効果の順調な発現に加え、海外事業での主要拠点での好調な保険引受、北米キャピタル損の減少等がけん引した。
通期予想については、政策株式売却益を含む修正純利益は売却加速を踏まえ、100億円上方修正し1兆1100億円とした。ただし、当期純利益は9300億円から9100億円に下方修正し、政策株式売却益を除く修正純利益は280億円下方修正し6720億円とした。
MS&ADインシュアランスグループホールディングスの正味収入保険料は海外子会社の大幅増収(1兆0487億円に到達)を主因に前年同期比6.7%増の2兆7101億円を計上した。国内損保は、自動車保険、火災保険を主因に同369億円増収の1兆6613億円。中間純利益は同7.1%増の4916億円。グループ修正利益は同367億円増の5371億円を計上した。
正味収入保険料の通期予想を年初から700億円引き上げ4兆9860億円とし、当期純利益の予想は5900億円(前期比▲1016億円)に引き上げた。グループ修正利益も890億円引上げ7600億円(前期比+282億円)を見込む。
SOMPOホールディングス(IFRS基準)の「保険収益」は損保ジャパンと海外連結子会社での増収により前年同期比2.5%増の2兆6444億円となり、純利益は国内・海外ともに自然災害の減少や金融損益の増益などにより同97.4%増の3604億円を計上し過去最高益となった。修正利益も同781億円増益の2474億円で過去最高益。
通期予想では、保険収益は対期初予想+500億円の5兆2500億円に、純利益は同+2050億円の5400億円に上方修正した。修正連結利益も+770億円上方修正し4400億円(対前年+1165億円)の大幅増益・過去最高益を見込む。
同社では、11年4月入社社員の採用活動から、総合人財の採用に加えて、専門人財の採用を進めている。この専門人財の採用は全部で七つのコースを用意。DX領域については、18年度頃からより注力して進めてきた背景を踏まえ、DXに対応できる人財を新卒から育成することを目的とし、21年4月入社採用に「テックビジネスコース」を新設した。現在、同コースでの入社社員数は累計9人、26年4月入社の内定者は3人となっており、データサイエンス分野に関心の高い人の採用を積極的に進めている。
■育成に注力、多様な場で活躍
DX人財の活用や育成についてビジネスデザイン部CXプランニングチーム課長の松岡祥平氏は、「DXといっても幅広く、デジタルやシステムに関する幅広い知見を基盤に、顧客の課題発見およびソリューション開発を進めるビジネスアーキテクトや、機械学習、統計モデルなどを用いてデータから価値を引き出し意思決定を支援するデータサイエンティストなどの人財が必要だ。当社では、そういったデータやデジタル技術を活用して顧客や社会のリスクを解決することができる人財を『デジタル人財』と定義し、所定のプログラムを修了した者を認定する社内認定制度を21年度から展開している」と話す。24年度末時点における認定者数は約4300人(「エントリー」「アプレンティス」「マスター」の総数)。
(2週間無料でお試しいただけます)
