青森県東方沖地震、震度6強 青森、岩手各地に災害救助法適用 損保各社で情報収集、対応開始
気象庁は12月9日、同月8日午後11時15分頃の青森県東方沖の地震により、青森県で最大震度6強、北海道と岩手県で最大震度5強を観測したと発表した。各地で被害の発生が報道されており、内閣府は同9日、青森県3市7町2村、岩手県5市4町3村(【青森県】:八戸市、三沢市、むつ市、上北郡野辺地町、上北郡七戸町、上北郡東北町、上北郡六ヶ所村、上北郡おいらせ町、下北郡大間町、下北郡東通村、三戸郡南部町、三戸郡階上町、【岩手県】:宮古市、大船渡市、久慈市、陸前高田市、釜石市、上閉伊郡大槌町、下閉伊郡山田町、下閉伊郡岩泉町、下閉伊郡田野畑村、下閉伊郡普代村、九戸郡野田村、九戸郡洋野町)に災害救助法の適用を決定した。これを受けて東北財務局は青森県・岩手県の各金融機関に向け、当該地域の被災者等に対し金融上の措置を適切に講じることを要請した。
損保協会は9日、災害救助法が適用された地域で契約者が被害を受けた等の場合、2月末日までの①継続契約の締結手続き猶予②保険料の払込猶予を発表。外国損害保険協会も同様の措置を発表した。生保協会は同じく特別取扱いとして、①保険料払込み猶予期間最長6カ月延長②保険金.給付金、契約者貸付金の支払いでの簡易迅速な取扱い―を案内。日本少額短期保険協会も、生命保険型商品の場合の保険料払込猶予期間の延長と保険金・給付金の請求手続きの簡素化、損害保険型商品の場合の継続契約の締結手続き猶予と保険料払込猶予期間の延長を案内している。
東京海上日動(12月9日午後1時現在)では、12月8日の地震発生直後から本店に災害対策本部を設置するとともに、同10日に仙台に地区対策本部を設置し情報収集と各種態勢整備を推進。また、損害対応・立会等を行うサテライトオフィス(八戸)の設置を予定している。被災地での損害査定業務に加え、リモートで顧客への初動対応・査定立会のアポイント調整等、遠隔支援を行い、迅速な保険金支払いを実施。全店応援を含め50人程度での立会態勢を想定しているという。また、同社が提携する衛星ソリューション事業者ICEYEの衛星データを用いて被害概要の解析を実施する予定で、早期の全容把握と効率的な保険金査定等に取り組んでいくとしている。
事故受付では、被害を受けた顧客からの連絡は、電話(東京海上日動安心110番)での受付に加えて、ウェブでの受付も実施。災害救助法の適用にあたっては、適用地域に居住する契約者を対象に、契約の手続きと保険料の払い込みについて猶予する取り扱いを実施する。また、顧客の居住地域で観測された震度に応じて定額の保険金を支払い、被災直後の当座資金に役立てもらうEQuick保険で、対象の顧客に対し保険金の支払準備を進めている。
三井住友海上(12月11日時点)では、損害サポート対策本部を本社に設置して対応。八戸、函館の現地に対策室を設置しているほか、全国の拠点と連携し、分散して迅速な顧客対応にあたっている。
同社では、中小企業向け火災保険「ビジネスキーパー」(財物損害、休業損害、賠償責任リスクをまとめて補償する商品)の特約として、震度に応じて定額の保険金を支払うインデックス保険「震災クイックサポート」を提供している。同特約では補償の対象が所在するエリアで震度6弱以上の地震が観測された場合に震度に応じて最大1000万円を支払う。保険金の用途は問わないため、中小企業が被災直後から事業再開までに必要とする当座資金に充てることができる。損害査定が不要で迅速に支払いできることがポイントで、今回の地震では10件程度、約500万円の保険金を支払う予定(最短7日で顧客に着金)としている。
あいおいニッセイ同和損保(12月9日午前9時時点)では、青森県・北海道に立会拠点を設置予定で、順次、本社社員と鑑定人による現地立会の支援を予定している(同社の事業継続に重大な影響を及ぼさないと判断し、現時点での対策本部の設置は行っていない)。支払い体制では12月9日から、保険金支払対応(調査以外の対応)は地震保険SCで集約対応している。地震発生時の被災建物予測棟数を市区町村ごとにリアルタイムで公開するcmap(12月9日0時現在で約9万3000棟と予測)によって自社の被災顧客数を地域別に即日想定、立会拠点を選定するなど、迅速な救助・支援活動に活用している。
また、MS&ADグループ(あいおいニッセイ同和損保・三井住友海上の両社)として、被災した顧客の被害状況を調査する際、顧客がスマートフォンから訪問日時を予約できる訪問日時予約システムを23年7月から導入しており、電話による日程調整が困難な場合等はSMSでシステムのURLを送信し、顧客の都合の良いタイミングでの予約を可能にしている。地震の被害を受けた顧客には保険金請求の手続きの流れを案内する動画をホームページ上で公開し、いつでも視聴可能としている。
損保ジャパン(12月9日時点)では、危機対策本部を本社に地震発生後速やかに設置し、被害状況等の情報収集を開始。同日、青森に災害対策本部を設置し対応を開始した。
支払迅速化に向けた取り組みとしてデータ統合基盤「Foundry」を活用。初動チェックツール(初動対応の迅速化)では、事故登録後、専用システムにデータを格納することで、自動的に契約の有効性確認や地域構造別に仕分けを行い、早期に次工程(アポイント)につなげ、実調用印刷ツール(調査〈実調〉の効率化)では、実調に必要な情報(アポイントメント情報、お客さま情報、契約情報、他契約情報、過去事故情報など)をまとめた書類を地域・アポ日付ごと(もしくは事故番号ごと)に印刷し、立会調査に必要な情報のみを抽出している。事故事案の自動差配(自動車のみ)では、被災地支援という観点で、従来、現地で事故対応していた自動車事故の新規受付事案を、他地区に分散させて対応している。
また、被災地での事故連絡方法等の情報配信を目的に、LINEユーザーへメッセージを配信。事前に「友だち」登録を行っていないユーザーも含めて配信を行っている。
東京海上日動あんしん生命は、中期経営計画に掲げる「提供価値の変革」「顧客接点の変革」「営業態勢と業務プロセスの変革」(以下、三つの変革)を実現するためのドライバーとして、DX人材の育成と活用を中核施策に位置付けている。DX人材の確保については金融業界経験者に限定せず、スキル・経験に加えて、「同社の経営理念に共感いただけるか」という点などを軸に採用を行っている。
■DX人材採用の工夫
同社では、2022年からDX人材に限らずキャリア採用をより一層強化しており、現在ではさまざまなスキルや経験を持った人材が集まることで、新しいアイデアが生まれやすい環境が整っている。
近年では、社員からの紹介経由での採用も増えており、入社者からは「少数精鋭、多様なメンバーを生かしあう組織風土や、働きがいと働きやすさが両立した職場環境等に魅力を感じている」との声が多く挙がっている。採用環境が厳しい中においても順調に人員の確保ができているという。
■DX人材の活用や育成、活躍の場
同社では、「社会・組織課題の解決に向けて、デジタルを活用した企画を実現できる人材」を「DXコア人材」としている。育成にあたっては、座学によるリテラシー習得とOJTによる実践経験の2軸で構成された全12研修プログラムを展開。座学とOJTを
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