MS&ADHD 事業分散・アセマネ事業強化へ マスミューチュアル子会社 米ベアリングス社へ出資
MS&ADインシュアランスグループホールディングス(以下、MS&ADHD)は11月17日、子会社の三井住友海上が米国大手生保 Massachusetts Mutual Life Insurance Company (以下、マスミューチュアル社)の100%子会社のアセットマネジメント会社 Barings LLC (米国・ノースカロライナ州、以下、ベアリングス社)の持分18%をマスミューチュアル社から取得し持分法適用会社とすることで、同日付で合意したと発表した。取得金額は14億4000万米ドル。
MS&ADグにループでは、本出資によって得られる投資機会、情報、運用スキルをグループ全体で活用し、「事業ポートフォリオの分散」「資本効率の向上」「保険商品開発力の向上」につなげる取り組みを推進する。また、本出資による事業提携でグループのキャッシュフローを最大化し、資本の効率的な循環を実現し、その結果として生まれた資金を迅速に成長投資と株主還元に結び付けることを目指す。
事業提携では、▽ベアリングス社の持続的かつ長期的な成長を支援すること(マスミューチュアル社と三井住友海上によるシード投資〈マスミューチュアル社と三井住友海上の共同シード資金による新設ファンドの運用実績の積み上げと、外部投資家からの資金受け入れを展望〉、マスミューチュアル社およびMS&ADグループによる運用委託)▽ベアリングス社の成長によってもたらされるリターンを通じてマスミューチュアル社、三井住友海上がリターンを実現できるように努めること▽MS&ADグループの資産運用ケイパビリティを向上させること▽ベアリングス社取締役会への人財派遣(非常勤取締役1人)▽ベアリングス社への人財派遣(管理職1人、投資実務担当者5人)―がうたわれている。
MS&ADグループは、基本戦略の一つである「事業・リスクポートフォリオの変革」を推進し、海外事業投資等による事業の拡大に取り組んでいる。その中で、必要資本を抑えつつ長期的な資本効率の向上が期待でき、保険引受事業との相関性が低く、事業ポートフォリオを分散させることができるアセットマネジメント事業の強化を検討してきた。そうした中、パブリックおよびプライベートのクレジット分野やリアルアセット分野で豊富な運用スキルと優れた人財を有し、企業文化等の面でもグループとの親和性が高いベアリングス社への出資を決定したとしている。
また、マスミューチュアル社が主要な投資家となり、ベアリングス社がその資産の大部分を運用する再保険会社 Martello Re LimitedとMS&ADグループの連携も可能になるとし、保険引受リスクの保有と移転を柔軟に選択できる体制を整えることで、資本効率の向上や競争力のある商品開発を目指すとしている。
なお、MS&ADHDの特定子会社(子会社三井住友海上設立の孫会社)として、ベアリングス社の経営および同社が運営するファンドに係るモニタリング業務等を事業内容とする新会社 MSIG MB Management LLC が米国ノースカロライナ州シャーロットに12月23日付(現地時間)で設立されている。代表者は真野智典CEO。
今回の出資・事業提携について、マスミューチュアル社チェアマン兼プレジデント兼CEOのロジャー・クランドール氏は、「MS&ADグループの本出資により、ベアリングス社の長期的な成功に深くコミットする世界有数の保険会社との戦略的パートナーシップが構築される。本出資はベアリングス社の成長を加速させ、マスミューチュアル社が長年にわたり成功を収めてきた保険事業と資産運用事業の融合による価値創造をさらに発展させるものだ」とコメントしている。
保険・リスクマネジメント分野を研究する大学教員・学生によって組織される「全国学生保険学ゼミナール(RIS:Risk and Insurance Seminar)」は12月6日、7日の2日間にわたり、東京都文京区の東洋大学白山キャンパスで第22回全国大会を開催した。関東、関西、中国・九州ブロックから14大学16ゼミの32班が参加し、保険・リスクに関する研究発表を行った。各ゼミの投票により最も印象的なプレゼンテーションを決定するMIP(Most Impressive Presentation)では、同志社女子大学の大倉真人ゼミ1班、福岡大学の田中義孝ゼミ1班、早稲田大学の中出哲ゼミ2班が同率で第1位に選ばれた。大会には学生・教員・実務家計323人が集まり、過去最大規模となった。
RISは、「リスクと保険」をテーマに全国規模で学際的な研究交流を行う場として2004年に設立された。参加ゼミは「リスクマネジメント・保険」「金融・ファイナンス」「会計学」など幅広い分野にわたり、夏のキックオフミーティング、秋の中間報告会を経て、12月の全国大会で参加ゼミが一堂に会し研究発表を行う。
開会式終了後、各ゼミの学生たちは班ごとに3~4会場に分かれて研究報告を行った。1セッションは45分間で、報告担当班が30分間でプレゼンテーションを行い、その後の10分
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