コンプライアンスの推進・徹底は保険事業者にとって最重要課題の一つであり、そのためには保険業法の理解が必須です。
ただ、保険会社や保険の販売を行う事業者の監督法令である保険業法は、342の条文数からなる法律で、そのほかに施行令、施行規則、監督指針など保険会社等が従うべき、あるいは参考とすべき規定を含めるとかなりのボリュームとなります。また、金融サービス提供法や改正個人情報保護法、改正会社法など、業法をとりまく法環境の最新情報を踏まえたうえで、これを理解するには結構な労力を必要とします。
そこで本書は、保険会社や金融機関、あるいは保険代理店の法務部門、コンプライアンス部門の方が、保険業法を読み解く際のハンドブックとして参照できる本を目指しました。法律の概要、全体像を把握できるようにQ&A方式を採用することで、ポイントとなる論点への読者のアクセスを容易にしました。また、図表を多く使用することによって、文章を読んだだけでは理解できない条文をわかりやすくすることに努めました。
実務の理解のため、必要な施行規則や告示、あるいは監督指針にも触れていくことで、大変使いやすい、実務担当者におすすめの一冊と言えます。
【本書の内容】
第1章 保険業、保険株式会社、相互会社(Q1~Q18)
第2章 保険会社の業務範囲、業務統制、経理・計理、行政による監督(Q19~Q41)
第3章 保険会社の経営悪化時の措置、外国保険会社、保護機構(Q42~Q60)
第4章 保険会社の株主、少額短期保険業者(Q61~Q69)
第5章 保険募集規制(Q70~Q97)
第6章 指定紛争解決機関、雑則(Q98~Q103)
【著者紹介】
松澤 登(まつざわ のぼる)
株式会社ニッセイ基礎研究所常務取締役研究理事、大阪経済大学非常勤講師
1985年東京大学法学部卒業、1989年ハーバードロースクールLLM 取得、金融審議会専門委員(2004~2008年)、日本保険学会理事(2020年~現在)、生命保険経営学会常務理事(2021年~現在)