生保協会 定例会見 出向者による情報漏えい事案で報告 国際活動で情報発信取組みも
生命保険協会の永島英器協会長は11月15日、東京都千代田区の同協会会議室で定例会見を開いた。会見では、今般発生した代理店出向者による情報漏えい事案に関する対応などについて報告した他、保険事業のグローバル化が進む中、意見発信活動等によって国際的な保険監督規制の議論に参加して保険業界の健全な発展に取り組んできたとし「国際活動に係る情報発信」について、ホームぺージ上に国際活動に関するページを新設したことや英語版のXアカウントを開設したことを報告した。
会見の冒頭、永島協会長は、会員会社で代理店出向者による情報漏えい事案が発生したことについてお詫びの言葉を述べた上で、「現在、会員各社で深度ある調査を実施している最中であり、全容の把握にはまだ時間がかかるものの、10月末時点の中間報告を受けた状況については金融庁からフィードバックを受けている」と報告した。
また、現状について、全体として保険会社18社、代理店34社のべ約42万2000件の生保会社から代理店への出向者による情報漏えいが判明しているものの、全ての事案で2次利用や営業目的での利用は確認されていないことを強調した。
こうした状況を踏まえ生保協会では、会員各社に対して11月13日に中間報告結果をフィードバックすることに加え、各社の出向者を通じた不適切な情報取得の再発防止と個人情報の厳正な取り扱いを徹底することを要請したと述べた。
次に、国際活動に係る情報発信の取り組みについて、国内外の業界関係者向けに生保協会の国際活動の訴求力および認知度向上を図ることを目的に、同協会のホームページに国際活動に関する英語・日本語ページを新設して掲載情報の整理と拡充を行っていると報告した。また、同協会の国際的なプレゼンス向上および海外団体とのさらなる関係強化を図るために英語版Xアカウントを開設して情報発信の強化を行っているとした上で、「取り組みを通じて、当協会の国際的な活動に関する国内外への情報発信をさらに強化していく」と述べた。
この他、永島協会長が、9月30日開催した「資産運用立国とGXの実現シンポジウム」に登壇したことを報告。「資産運用立国の実現に向けた生命保険会社の役割」をテーマに生保協会や明治安田生命の資産運用立国の実現に資する取り組みを説明したとし、「引き続き、機関投資家として、資産運用立国実現プランにおける金融・資本市場の活性化等への貢献に向けた取り組みを推進し、積極的に発信すると同時に、ESG投融資やスチュワードシップ活動を通じて、投融資先企業の企業価値向上を後押しすることで、持続可能な社会の実現に向けてさらなる役割を発揮していく」と述べた。
質疑応答では、「法人契約の情報漏えいに関する調査を追加で実施するとのことだが、営業目的での情報の利用に伴う漏えいが発生する可能性はあると考えているか」という記者の質問に対して、「法人契約についての追加の調査指示が金融庁からあった件であり、保険会社によっては法人契約を除いて調査していたのではないかと当局が考えたことで行われたものだ。各社は必要に応じて法人契約について調査し確認するという段階だ」と回答した。
また、「代理店への出向者のあり方について、見直しの必要性など考えていることはあるか」という質問に対しては、「金融庁と議論しながら生保協会として必要な対応をしていきたい」と回答した。
【「地域貢献」―新たなステージに18】
三井ダイレクト損保は、MS&ADインシュアランスグループのネット損保として、グループと共通の経営理念「グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支えること」を掲げており、全社員が注力する具体的な取り組みの一つとして、“社会・地域貢献活動への積極的な参加”を設定している。中期経営計画(2022―2025)においては、新たなブランドコンセプト「強くてやさしい」を掲げ、「強くてやさしい企業(つよやさ企業)」になることを宣言。地域への貢献は、「強くてやさしい」を具現化するサステナビリティ取り組みの一つだ。
■地域の教育機関へ特別講座などを提供
同社は21年度から、障がいのある子どもの社会参加促進と自立支援を目的として盲学校との交流を行っており、具体的には①企業訪問・金融リテラシー(損害保険)や会社の仕組みに関する講座の実施②職業体験機会の提供③同社所属パラアスリートによる走り方講座の実施④同社社員と共同での公園清掃―などがある。
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