日本生命 海外事業収益の長期安定的な拡大図る レゾリューションライフを完全子会社化 先進技術獲得しグループ内の取組高度化
日本生命は、同社の関連法人で既契約受託事業・再保険事業を行うレゾリューションライフグループホールディングスリミテッド(バミューダ諸島)を12月11日完全子会社化したとし、同日、東京都千代田区の同社丸の内ビルで記者説明会を実施した。清水博社長は本件買収について、世界最大規模かつ今後も安定的な成長が見込まれる米国保険市場等を拡大することにより、海外事業収益の長期安定的な拡大、ひいては契約者利益の最大化に大きく貢献するとの考えを示した。また、レゾリューションライフが有するAI、デジタル等の先進技術ノウハウの獲得や活用を通じて、日本生命グループの取り組みの高度化、協業を通じたシナジーのさらなる創出を目指していくとした。
はじめに清水社長は、同日付でレゾリューションライフを同社の完全子会社としたことに加え、レゾリューションライフ傘下の豪州レゾリューションと日本生命子会社のMLC(いずれもオーストラリア)を経営統合することなどについて、関係者間で合意したと報告した。
次に、中期経営計画における本件買収等の位置付けとして、今年度からスタートした同計画では、2035年にグループ基礎利益を約1.4兆円まで拡大することを掲げており、このうち国内保険事業以外からの利益については、事業投資等を通じて約4000億円まで拡大することを想定していると述べ、本件買収等については、この目標の達成に向けた取り組みの一環だと説明した。
その後、レゾリューションライフの事業内容について、企業・事業等の買収や再保険取引等を通じて元受保険会社が販売停止した保険契約を取得・集約し、運用リターンの向上やコストの効率化等によって収益を実現させていると紹介した。さらに、こうした既契約受託市場は近年急拡大しており、今後も中長期的に成長が想定されると述べた。
次に、本件買収等の具体的な取引概要として、レゾリューションライフについては、発行済株式のうち同社がすでに保有する持分(約23%)を除いた約77%を追加取得して完全子会社化したとし、その追加取得分となる買収金額は約82億米ドル(約1.2兆円)に上ると説明した。また、豪州レゾリューションとMLCの経営統合については、これに先立ち、現在ナショナルオーストラリア銀行(NAB)が保有するMLC株式の20%を約5億豪ドル(約500億円)で同社が取得した上で、レゾリューションライフの豪州持株会社を通じて豪州レゾリューションおよびMLCを保有すると説明した。さらに今後、豪州レゾリューションとMLCの統合を実施し、数年後に2社を合併させる予定だとした。
続けて本件買収等について、世界最大規模かつ今後も安定的な成長が見込まれる米国保険市場等を拡大するとともに、豪州保険事業のさらなる強化が図られることにより、海外事業収益の長期安定的な拡大、ひいては契約者利益の最大化に大きく貢献するとの考えを示した。また、レゾリューションライフが有するAI、デジタル等の先進技術ノウハウの獲得や活用を通じて、日本生命グループの取り組みの高度化、協業を通じたシナジーのさらなる創出を目指していくとした。
本件買収によるグループ基礎利益への貢献は約500億円(23年実績ベース)を想定し、すでに出資が完了したコアブリッジ(米国)分を含め、海外事業によるグループ基礎利益は現在の約340億円から約1800億円となり、グループ基礎利益に占める海外事業の割合は4%から約20%へと上昇する見込みだと述べた。
その後、清水社長自らが記者からの質問に回答した。
「海外事業の課題認識」については、グループとしての事業ポートフォリオは分散しているほうが良いとの考えを示した上で、先般買収したコアブリッジと今回のレゾリューションライフの買収について、「コアブリッジは、いわゆる年金の販売会社で、当社のように営業販売チャネルが 一人一人の個人の契約者に年金を販売する、いわゆるBtoCビジネスを行っている。一方レゾリューションライフは、元受保険会社が切り出した既契約ブロックを引受けるという意味で、一種のBtoBビジネスだ。これまで当グループの中にはBtoBビジネスはなかった。レゾリューションライフに出資する意味合いの一つには、BtoBビジネスに踏み出すことが挙げられ、それは事業分散につながることも意味する」と述べた。
「豪州レゾリューションとMLCの統合判断の理由」については、三つあると述べ、一つ目は、豪州レゾリューションが既契約受託、MLCが新規契約獲得と全く違うビジネスを展開しており、この2社が統合することは、相互に足らない部分を補完し合うという意味で相性が良いと考えたからだと説明した。
二つ目は、豪州レゾリューションはAIやデジタルの活用を通じたコストの効率化に長けた会社だとし、その強みをMLCにも入れることで、統合後にコスト面で高い競争力を持ち、それが保険料水準といったサービスのシナジー創出に期待できるからだとした。
三つ目は、前述の二つの理由から収益力が向上することで、今後成長が見込まれるリタイアメント等の領域など、新しい領域に踏み出す余力が生まれるからだと述べた。
「幸福度」に関わる研究は国内外で取り組まれているが、多くの場合、日本の評価・スコアは芳しくない。
しかし、日本は世界の中で先進国と位置付けられる豊かな国であり、治安・公衆衛生の水準も高い。
これまでの幸福度に係るアプローチは、欧米中心に研究が進んできたこともあり、日本における幸福の感じ方を必ずしも反映していないという考え方もある。
そこでSI+では、有識者で構成する「幸福度研究会」を4月に立ち上げた。
研究会は、既存の研究成果を踏まえつつ、年代・性別等の属性や個人の価値観によって、幸福の感じ方に多様性があることを前提として、日本社会における幸福は何かを浮き彫りにする試みに取り組んできた。
具体的には、主観的な「幸福度」についてのアンケートを通じて、幸福の構成要素を明らかにし、その要因を深掘りするものである。
■「幸福度」の全体像
「どの程度、幸せ」かを0(とても不幸せ)~10(とても幸せ)で尋ねたところ、平均は6.6、回答の分布は「5」と「7.8」にヤマがある。年代別では、若年層・高齢層が高く、30~50代が落ち込む“U字型”となった。性別では女性の方が幸福度が高い。
幸福度を回答する際、それぞれの分野を、どの程度、重視したか尋ねたところ(0:全く重視し
(2週間無料でお試しいただけます)