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トライリンガルの頭の中

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 日・中・英三カ国語に精通している中国出身のジャーナリストと同席し懇談する機会があった。保険会社時代の元同僚で上海出身のR教授と交流のある者にとっては楽しいひと時であった。
 中国語における北京官話と福建語の差異と日本語における鹿児島弁と青森弁との差異の比較が話題にのぼったところ、われわれが単に同じ中国語と思っている北京官話と福建語とでは、純粋な鹿児島弁と青森弁で会話したらあまり通じない以上に、ほとんど何を言っているのか解らないとのこと。そのためか、中国国内で活躍されている方々は、基本的に北京官話と地元の言葉を話すバイリンガルであるそうだ。興味深い話であるが、その意味では、鹿児島県人や青森県人など日本人も基本立派なバイリンガルであるかもしれない。
 そして、普段、日・中・英三カ国語を操るくだんのトライリンガルの方は、頭の中では何語で考えているのかご本人に尋ねてみると、「それぞれ思い浮かんだ相手の話す言語で考えており、それらは瞬時に入れ替わるもので、特に何語でいつも考えているという単純なものではない」とのことであった。興味深い。
 しばし会話が盛り上がったところでコラム子が調子に乗って、同席されていた大先輩を称して「昔、会社のエライ人、今は身体のエライ人」などと、場違いでかつ愚にもつかぬギャグを飛ばしてしまった。無論、周りの日本人の方々を含めて大いにスベったわけであるが、これはさすがに使われている日本語が外国の方には少し難しかったかと一瞬思ったら、「大阪弁の“エライコッチャ”の“エライ”の意味ですよね」と即座に解説までしていただくことになってしまったのは汗顔の至りだった。(朗進)

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