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うず

嵐ニモマケズ

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 2023年は保険業界に嵐が吹き荒れた1年となった。
 自然界では秋田県での記録的大雨により市内各所で冠水、住民の生活や企業の事業活動に甚大な影響が出た。長期間通行止めとなる道路が出る中、地域の状況を熟知する地元密着代理店が素早く動いたとも報告されている。大規模災害では車のナビが用を成さないケースもある。直感的にルートがイメージできなければ、目的の顧客宅への到達もままならない。やはり、地域のことは地域のプロ代理店に任せるのがスピーディーな対応の基本となるのだろう。
 社会的な嵐も後遺症を残している。ビッグモーター事件は自動車車体への故意による損害や保険金の不正請求など企業ポリシーを疑わせ、保険の信頼を揺るがすような事態へと発展した。この事件の影響で、各地のプロ代理店や修理工場代理店などがBM社と同一視されるようないわれのない言葉を浴びせられ、厳しい風評被害の嵐に見舞われている。さらに、大手損保によるカルテル問題もあった。一方、これまで多くの代理店を苦しめてきたともいわれる手数料ポイント問題。7月には大阪の損保系代理店を中心とした代理店手数料ポイント制を考える会が公正取引員会へ訴えた。その申告人の数は260人を超えたという。過去に例のない嵐のような訴えとなった。2024年は、こうしたさまざまな嵐の答えが出てくることになる。
 「雨ニモマケズ」は宮沢賢治の詩として有名だ。今の代理店業界でその言葉を借りるなら、「雨にも負けず、統廃合の風にも負けず、手数料ポイントにも風評被害にも負けぬ丈夫な体制をもち、他に困っている代理店があれば行って訴えを聞く、そんな代理店に私はなりたい」とでもなるかもしれない。(リュウ)

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