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特集 関東大震災から100年

【2023年9月1日掲載】
関東大震災から100年の節目を迎えた。大正12年(1923年)9月1日午前11時58分に発生した推定マグニチュード7.9の地震(大正関東地震)によってもたらされた未曽有の大規模災害では、死者・行方不明者は10万人を超え、全壊・全焼住家は約29万棟に上り、当時の日本の社会・経済に大打撃を与えた。その教訓を基に日本の災害対策は強化され、現在の耐震基準の基礎となる耐震規定の制定や、地震発生メカニズムの解明など地震研究の進展につながった。現在のボランティアに当たる住民同士の助け合いも大きな役割を果たし、後に地震発生日が「防災の日」と定められて、毎年、防災訓練や各種啓発活動が活発に行われるようになるなど、関東大震災は近代日本の災害対策の出発点となった。また、その後に発生した大規模自然災害を契機に災害対策は繰り返し見直され、長期的な取り組みを重ねて現在まで発展してきた。それでもなお、現代の日本に暮らす私たちにとって、防災・減災に決して万全ということはなく、終わりのない取り組みだということ、そしてひとたび大規模災害が発生すれば人的被害はもとより、被災地の建物やインフラなどの物的損害、さらには日本の経済・社会・政治・環境など多方面にわたって長期的かつ深刻なダメージをもたらし得ることを、過去の資料や教訓から学ぶだけでなく、現在進行形で経験している。2011年の東日本大震災以上の被害を及ぼす可能性がある首都直下地震の発生が懸念される中、本特集では、100年前の関東大震災に焦点を当てる一方、現在の防災・減災に対する産官学の考えや、とりわけ今後の災害対策のポイントになるとされる自助・共助を中心とした保険会社や自治体などの取り組みを紹介しつつ、今、日本で必要となる防災・減災のあり方を探っていく。