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損保ジャパン、川崎重工、ソフトバンク 船舶自動運航の社会実装を後押し 安全運航の統合ソリューションで合意 マスコミ対応費用保険など新補償を企画

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 損保ジャパン、川崎重工、ソフトバンクの3社は、「船舶の安全運航を支える統合ソリューションの提供に向けた基本合意」を締結した。保険開発知見、操船支援技術、高精度測位技術といった各社の強みを組み合わせることで、将来的な自動運航の社会実装を見据えた新たな統合ソリューションの展開を目指す。損保ジャパンは、操船技術の高度化を前提とした新たな船舶保険として、「マスコミ対応費用保険」および「旅客船代替費用保険」を提供する。これらを通じて事故発生時の社会的影響への対応を含めたリスクマネジメントを支援し、先進技術の社会実装を後押しする考えだ。

 近年、海運業界では、人手不足の進行や、それに伴う熟練船員への過度な依存が深刻化しており、船舶運航における安全性確保や運航効率のさらなる向上が重要な課題となっている。特に、離着岸のような高度な操船技術が求められる場面では、操船者の判断負荷が大きく、ヒューマンエラーに起因する事故リスクも指摘されてきた。こうした状況を背景に、操船を的確に支援する先進技術と、その技術を安心して社会に実装するためのリスク対応を一体で提供する必要性が高まっている。
 これらの課題を踏まえ、3社は基本合意に基づき、川崎重工が展開する船舶の離着岸操船を先進的に支援する「安全離着岸支援システム」と、ソフトバンクが提供する高精度測位サービス「ichimill(イチミル)」、さらに損保ジャパンが有する船舶保険分野の専門知識およびリスクマネジメントの知見を組み合わせた統合ソリューションの開発に取り組む。先進技術とリスク対策を一体化することで、船舶運航の省力化を推進するとともに、事故リスクや万一の際の社会的影響への備えを含めた包括的な支援の実現を目指す。
 共同検討項目は、「ichimill」と「安全離着岸支援システム」を活用した技術連携、船舶データを活用したリスク分析と保険設計への応用、新技術を社会実装する上で必要となる保険商品の企画、操船データに基づくリスク評価手法の構築など。さらに、3社連携によるビジネスモデルの検討および各社営業ネットワークを活用した展開も視野に入れ、今年12月をめどに具体化を進める予定だ。
 川崎重工の「安全離着岸支援システム」は、港湾内における入港から着岸・離岸までの操船を支援する技術で、気象・海象条件の影響を自動補正しながら計画航路に沿った操船と接岸をアシストする。また、船体位置や岸壁との距離、将来の船位予測などを可視化することで、操船者の負荷を軽減し、安全で再現性の高い運航を支援する。
 ソフトバンクの「ichimill」は、誤差数センチメートルの高精度な位置測定が可能な測位サービスで、全国3300カ所以上の基準局ネットワークを基盤に、港湾・沿岸部でも安定した測位を実現している。「安全離着岸支援システム」との連携を通じて、データ主導による自動操船および運航効率化をサポートする。
 損保ジャパンは、船舶の安全な航行に寄与する「安全離着岸支援システム」と「ichimill」を組み合わせた先進技術の実装を、保険・リスクマネジメントの側面から支える役割を担う。具体的には、国内の船舶保険では例のない「マスコミ対応費用保険」と「旅客船代替費用保険」の二つの補償を、これらのシステムを搭載した船舶向けに販売することを企画している。
 「マスコミ対応費用保険」は、船舶が海難に遭遇した場合に、記者会見の開催や説明広告の掲載といったマスコミ対応費用に加え、インターネット上でのいわゆる「炎上」対応に要する費用を補償する。
 「旅客船代替費用保険」は、旅客船が海難に遭遇し、航海の継続が不可能となった場合に、旅客を目的地まで輸送するための航空機や鉄道、代替船などの代替輸送費用のほか、代替手段が確保されるまでの宿泊費や休憩場所費用、食事代などをカバーする。
 同社はこれらの保険商品の開発を通じて、技術導入に伴う事業者のリスクを軽減し、革新的なソリューションの社会実装を強力に後押しする。
 3社は今後、国内外の港湾や船舶運航事業者への導入拡大を視野に入れ、これまでに蓄積してきた技術成果や知見を生かしながら、統合ソリューションの社会実装を進める方針だ。技術導入とリスク管理を両立させる新たな枠組みを構築することで、船舶自動運航の実装を加速させ、安全で持続可能な海上インフラの形成に貢献していくとしている。

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