うず
百聞は一見に如かず
驚くべき選挙結果が続いている。一つは米国の大統領選挙であり、もう一つは兵後県知事選挙である。いずれも私の予想には反した結果であった。米国の方は、2大政党の政策的な論争による結果というよりは、トランプかそれ以外かという様相ですらあった。米国という多様性のるつぼともいえる国での国民の選択の結果はそれとして、激戦州と言われた州の全てでトランプ氏が勝ったということでは、現地の声も期待も、あるいは現在の不満の高さも、充分に現政権はくみ取れていなかったということであろう。
兵庫県知事選挙は、県民の代表である議員で構成する県議会が全会一致で不信任決議をした知事が、県民からは再選されるという前代未聞の結果となった。民意を決議前にどれだけ受け止めていたのか、あるいはその後SNSを駆使した選挙活動等で何が明らかになったのか、県民は何を基に判断したのかを丁寧に聞いてみないと、県民に通底する期待はうかがい知れないままであろう。
保険会社や少し規模のある代理店でも、現場で悩んでいることや丁寧に顧客と対応している実態はなかなか経営のトップには実感としてわかりにくいものがあるのではないか。「現地現物」とか「百聞は一見に如かず」ともいうが、実際にトップが社員の声を、何か事件があった時にパフォーマンスとして聞く機会を持つことはあっても、日常的に聞くことは稀なようだ。「百聞は一見に如かず」には続きがあり、最後は、「百幸は一皇に如かず」で終わる。トップは、誰のために、そして何をなすべきなのかをよくよく考えてもらいたい。(雨宿り)