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ホーム ニュースヘッドライン 2024年09月 損保ジャパン 日本動産鑑定と業務提携 陸上養殖保険引受けスキームを構築

損保ジャパン 日本動産鑑定と業務提携 陸上養殖保険引受けスキームを構築

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 損保ジャパンと特定非営利活動法人日本動産鑑定(東京都中央区、久保田清理事長)は、第一次産業の社会課題解決に資する新たな価値の創造のため、陸上養殖のリスクに対応する保険商品の引受け体制を構築し、9月4日から提供を開始した。損保ジャパンが保有する養殖事業のリスクに関する知見と日本動産鑑定の陸上養殖事業者への事業性評価に基づく陸上養殖業ビジネス評価書の情報を連携、適切かつスピーディーに保険商品を提供するスキームを構築した。

 日本動産鑑定は陸上養殖事業者などからの依頼で現地を訪問の上、調査やヒアリングを行い、事業性評価に基づき養殖業ビジネス評価書を作成している。損保ジャパンは、従来から外部委託による実地調査とヒアリングを通して陸上養殖事業者の保険を引受けてきている。今回、両社の取り組みを連携し、日本動産鑑定の事業性評価と損保ジャパン作成の保険調査必要項目を包括して調査する業務提携を行った。業務提携の対象養殖物は陸上で養殖される魚類、貝類、藻類、甲殻類等。リスクの調査が業務提携の対象で、日本動産鑑定は保険の募集行為は行わない。
 両社の連携により、陸上養殖事業者は事業性評価の過程の中で保険加入に必要な調査を一度で完了し、適切かつスピーディーに保険商品の提案を受けることが可能になる。また、金融機関は「事業性評価に基づき作成された養殖業ビジネス評価書による事業の可視化」と「有事の際の事業継続に有効な陸上養殖保険の加入」により、事業者の資金需要に応じやすくなる。
 陸上養殖事業者にとっては、①資金調達の面で事業性評価の実施により財務データに依存することなく事業内容や成長性の評価等に基づき金融機関から資金調達が可能②陸上養殖保険の加入により有事の際のファイナンス面での補償を確保でき事業継続力の向上につながる―といった効果が期待でき、両社は養殖業の成長産業化につながる取り組みとなるとしている。
 国連の「世界人口推計2024年版」によると、世界の人口は2024年の約82億人から2080年代半ばには約103億人に拡大が見込まれている。また、新興国の経済発展等の影響も見込まれることから、水産物などタンパク源の世界的な需要拡大への対応が求められている。一方、乱獲による水産資源の枯渇や地球温暖化による漁獲量の減少、海面養殖による赤潮、魚病なども発生しており、それらは食や環境に関連した社会課題となっている。
 こうした状況を改善する手段の一つとして注目を集めているのが陸上養殖だ。特に、生育環境を海と完全に分離し、陸上のどこでも水産養殖が可能な「閉鎖循環式陸上養殖」(生育水をろ過し装置内で再利用しながら、魚介類の養殖を陸上で行う低環境負荷の養殖手法)は近年、技術開発が進展しており、今後の市場拡大が見込まれているという。
 日本動産鑑定は、水産庁から発信されている養殖業事業性評価ガイドラインの作成を委託されていることに加え、多くの養殖事業者の事業性評価も行うなど、これまで養殖事業における事業性評価やリスクに関する専門的な知見を有している。また、損保ジャパンは、これまでも養殖事業者に対してリスク実態に応じた新たな保険商品を開発・提供するなどの実績を有している。両社は今後も、食と環境の課題を解決する手段として注目される「陸上養殖」の普及・発展のために、連携を強化していくとしている。

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