第一生命HD 24年度第3四半期決算 修正利益68%増、進捗率106% 修正利益予想「4150億円程度」に引上げ
第一生命ホールディングスが2月14日に発表した2024年度第3四半期決算によると、連結経常収益は前年同期比0.9%増の7兆8397億円で、連結保険料等収入は同10.5%減の5兆1065億円となった。連結経常利益は同49.1%増の5576億円で、親会社株主に帰属する四半期純利益は同62.3%増の3537億円を示した。グループ修正利益は同68%増の3596億円で、対通期業績予想の進捗率は106%を示した。本決算で同社は通期連結業績予想を修正し、経常収益7.6%減、10兆1920億円(11月発表予想19.1%減、8兆9220億円)、経常利益27.6%増、6880億円(同4.3%増、5620億円)、親会社株主に帰属する当期純利益20.0%増、3850億円(同0.7%増、3230億円)、1株当たり当期純利益418円36銭(同350円99銭)に引き上げた。グループ修正利益は、従来予想の「3400億円程度」から、「4150億円程度」に増加する見込みとしている。
通期予想の上方修正については、前四半期で不透明だった経済見通しや「セカンドキャリア特別支援制度」実施に伴う特別損失の計上額見通し等の不透明性が一定程度解消され、一部要素の上振れ幅のさらなる拡大や実現確度の高まりが見られたためとしている。経常収益については第一生命と米プロテクティブで資産運用収益の増加を見込むこと等から、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、グループ修正利益については第一生命で利息配当金収入の増加を見込む他、ベネフィット・ワンの買収に関連する無形資産償却額が減少したこと等から、前回発表予想と比較して増加する見込みとした。また、同社は併せて25年3月期期末配当予想も修正し、前回発表の期末61円、合計122円(第2四半期末配当実績は61円)の予想から、期末72円、合計133円に引き上げた。
国内のグループ修正利益は、前年同期比77%増の2702億円。国内事業は、利回り改善等による順ざや拡大に加え、一過性利益等もあり期初の通期予想を超過して推移。第一生命の修正利益は、国内株式売却が計画より前倒しで進捗し売却益が早いタイミングで計上された他、利配収入等が上振れたことで順ざやが改善し、前年同期比45%増の2438億円で、期初予想比の進捗率は113%。第一フロンティア生命の修正利益は、米金利急騰懸念の後退に伴う運用費用の減少や円安に伴う解約益の増加等により281億円で、期初予想比の進捗率は112%。
海外事業は、全体で期初通期予想に対して順調な進捗。米プロテクティブの修正利益は前年同期比172%増の328億円で、期初予想比の進捗率は69%。豪TALの修正利益は同9%減の314億円、期初予想比の進捗率は84%。
グループ基礎利益は前年同期比27.4%増の4338億円だった。
グループ全体の新契約年換算保険料は、前年同期比10.4%増の4177億円、国内4社計では同7.9%減の2665億円だった。
第一生命の新契約年換算保険料は同127.4%増の769億円。第一フロンティア生命は同27.2%減の1752億円、ネオファースト生命は同6.5%減の91億円、アイペット損保は同7.3%増の53億円だった。海外6社計の新契約年換算保険料は、同69.9%増(為替影響除きで74.6%増)の1512億円。
グループ全体の保有契約年換算保険料は前年度末比1.8%増の4兆8987億円だった。国内4社計では同2.3%増の3兆3391億円。第一生命は同0.1%増の1兆9514億円、第一フロンティア生命は同6.1%増の1兆2495億円、ネオファースト生命は同1.3%減の988億円、アイペット損保は同9.0%増の395億円だった。
グループ新契約価値(VNB)は、国内3社概算で約830億円。新商品の投入により販売量が増加した第一生命が貢献し、期初通期予想(国内3社)対比進捗率は104%と予想を上回る進捗となった。
グループ各社の業績では、第一生命の保険料等収入は前年同期比1160億円(7%)減の1兆5735億円、資産運用収益は同1733億円増の1兆810億円だった。経常費用は同82億円増の2兆6755億円。
経常利益は同958億円増の4027億円、四半期純利益は同745億円増の2428億円だった。基礎利益は、事業費増加等に伴い保険関係損益は減益も、ヘッジコストの減少や円建債券・オルタナ資産の利配収入増加等による順ざや改善に伴い、同109億円(5%)増の2340億円。修正利益は前記に加え有価証券売却益の増加等により、同745億円(44%)増の2428億円となった。
第一フロンティア生命の保険料等収入は前年同期比2237億円(9%)減の2兆3773億円、資産運用収益は同1571億円減の3500億円だった。経常費用は同4186億円減の2兆7049億円。経常利益は同580億円増の426億円で、当期純利益は同129億円増の272億円となった。基礎利益は、新契約関連費用や標準責任準備金繰入額の減少等で保険関係損益が対前年同期で大幅に改善し、同849億円増の711億円。
ネオファースト生命の保険料等収入(再保険収入除く)は、がん保険、三大疾病一時給付保険の販売が好調だったものの、経営者保険の解約に伴う保有契約の減少等により、前年同期比8億円(1%)減の723億円となった。当期純利益は、昨年度からの経営者保険の契約に伴う保有契約の減少により、同17億円減の▲27億円。
海外事業の修正利益は、全体で前年同期比31%増の803億円。
米プロテクティブは、前四半期に引き続きリタイアメント事業での運用が好調だった一方、プロテクション事業における死亡率前提の見直しによるマイナス影響やステーブルバリューおよびアセットプロテクション事業の収益性低下等により、税引前営業利益は前年同期比10%減の3億1000万米ドル。当期純利益は、23年3月に破綻した銀行の債券等の減損や商業用不動産ローン貸倒引当金の積増し等により落ち込んだ前年同期から3億1300万米ドル増加し3億400万米ドル。
豪TALは、全体で保険金支払いは増加したものの、保障性事業とTLIS(旧Westpac Life)は前年同期を上回り、基礎的収益力は前年同期比1%増の3億4700万豪ドル。当期純利益は、金利変動等に伴う資産・保険負債の変動の影響が剥落し、同4%減の3億4000万豪ドル。
第一生命ベトナムは、業界全体の銀行窓販チャネルのモメンタム低下により初年度保険料、継続保険料が共に減少し、保険料等収入(除く再保険収入)は同3%減の13兆9320億越ドン。当期純利益は、金利変動に伴うユニバーサル保険の責任準備金の再評価が前年同期の繰入れから今期戻入れに転じた一方で、保険料等収入の減少、保険金・解約返戻金等の増加により、同10%減の1兆7120億越ドン。
テレマ保険では、通信技術を活用して取得したお客さまの自動車走行データを基に、安全運転スコアに応じた保険料の割引や、安全運転のためのアドバイスを提供し、事故の未然防止に努めている。また、万が一事故が発生した際には、テレマティクス技術で事故の状況を迅速かつ的確に把握する「テレマティクス損害サービス」を通じて、事故の早期解決を実現している。なお、テレマ保険はすでに190万台(24年12月末時点)の契約をいただき、当社のスタンダードな商品となっている。
――これまでに、テレマ保険が生み出してきた価値について。
鈴木 「お客さまをお守りする」「アクティブユーザーもエコドライブに導く」「お客さまから選ばれる」―の三つの観点から話したい。まず、「お客さまをお守りする」について。テレマ保険契約者と他の自動車保険契約者と比較した場合、テレマ保険は事故発生頻度の低減効果が16%あることが確認されている。また、衝突事故発生時には車両の位置情報や速度などが自動で当社に送信され、事故が発生した場所や経路などの状況を正確かつスムーズに把握できる。これにより、事故解決までの日数が16.4日短縮され、お客さまとともに、安全・安心なクルマ社会を創り上げる商品となっている。
――二つ目は。
鈴木 二つ目として、「アクティブユーザーもエコドライブに導く」
(2週間無料でお試しいただけます)
