生保協会 定例会見 不適切事案重く受け止め遺憾の意 信頼回復に向け必要な対応図る考え示す 「生命保険募集人呼称募集」大賞作品発表を延期
生命保険協会の高田幸徳協会長は2月20日、東京都千代田区の同協会会議室で定例会見を開き、「アンコンシャス・バイアス調査報告書」と「仕事と介護の両立に関する調査報告書」を作成・公表したことを報告した(本日付2面に詳報)。また、プルデンシャル生命で発生した大規模な金銭詐取、不適切な金銭受領事案に関して、「顧客や社会の信頼を損なう事案の発生は協会として大変遺憾であり、極めて深刻な問題だと受け止めている」と述べた。この他、同日に予定していた「生命保険募集人呼称募集」の大賞作品の発表については、顧客や社会からの信頼回復に向けた取り組みを最優先にするべきと判断し延期すると報告した。
会見の冒頭、高田協会長は1~2月の東北・北陸地方での大雪による被災者に対してお見舞いの言葉を述べた上で、各社で災害救助法の適用地域の被災者に対する保険料払込猶予期間の延長などの特別措置を講じているため、生命保険会社に問い合わせをしてほしいと呼び掛けた。
次に、生保業界における女性のさらなる活躍推進に向けて、生保業界で働く職員のアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)や働き方に対する意識の実態、会員会社の取り組みをまとめた「アンコンシャス・バイアス調査報告書」を作成したことを報告した。生保協会と会員各社は報告書から得られた知見を生かしながら、誰もが能力を発揮して自分らしく活躍できる業界の実現を目指していくと述べた。
また、調査結果の内容にも触れ、生保業界の「アンコンシャス・バイアス」の認知度は約63%で、内閣府の類似調査の約21%と比べて高いとした一方で、「アンコンシャス・バイアス」という言葉を知らない、または言葉の意味を十分に理解していない人も一定数いることから、引き続き職場におけるアンコンシャス・バイアスに気付くきっかけを提供することで、会員各社が多様な人材が活躍できる環境づくりを進めていくことを期待していると述べた。
さらに、無意識の思い込みが、女性の昇進に関する意欲やリーダーシップを発揮する自信に影響する可能性を示すデータも読み取れたと述べた上で、こうした調査結果から得られた示唆を踏まえて、3月12日に会員各社の女性管理職候補者を対象にしたアンコンシャス・バイアスに関する講演やネットワーキングを実施するイベント「つながり、学び、ひらく未来」を開催することを報告した。
次に、生保業界の仕事と介護の両立支援の取り組みをまとめた「仕事と介護の両立に関する調査報告書」について、会員各社が実施する「仕事と介護の両立に向けた社外向けの取り組み(保険商品など)」や「仕事と介護の両立に向けた社内向けの取り組み」の取り組み状況と内容を確認したものだと説明した。
そのなかで、社外向け取り組みについては、介護・認知症に対応した保険商品や付帯サービスの提供をはじめ自治体や福祉団体との連携などの仕事と介護の両立を支援する社会貢献活動が行われていると報告した。また社内向けの取り組みについては、法令で求められている両立支援策だけでなく、両立を実現するために各社が独自の取り組みを導入していると説明した。
高田協会長は、「二つの報告書で得られた知見を通じて、働く誰もがウェルビーイングを実感できる業界の実現と、多様な人材が活躍し、安心して長く働き続けることができる社会の実現に貢献していく」と述べた。
次に、プルデンシャル生命で発生した大規模な金銭詐取、不適切な金銭受領事案について触れ、事案が発生した要因について、生保協会では、2023年2月に「営業職員チャネルのコンプライアンス管理体制のさらなる高度化にかかる着眼点」(以下、「着眼点」)を策定して以降、毎年各社の取り組みを確認し、フォローアップを実施しているとした。一方で、今回の事案は、「着眼点」のプリンシプル等に記載しているより良い企業文化の形成に向けた取り組みや営業職員の活動管理等に関する基本的な考え方と取り組みが、徹底できていないか行われていないことが要因との考えを示した。
そのため、あらためて会員各社が「着眼点」のさらなる浸透、徹底を図ることが急務だと強調した上で、営業職員チャネルのコンプライアンスリスク管理体制のさらなる高度化という観点で会員各社の役員と意見交換会を開催し、各社で発生している不祥事案の本質的な原因分析と再発防止策などを共有したと述べた。また、会員各社の代表者と強い危機感を共有して各社が体制強化に一層取り組んでいくことについて認識をあわせたと報告した。
今後は、4月に代表者意見交換会を開催予定であり、経営トップ同士で活発な意見交換を行い、あらためて営業職員チャネルのコンプライアンスリスク管理体制のさらなる高度化に向けた取り組みを促進し、業界の信頼回復に向けて協会として必要な対応を図る考えを示した。
質疑応答では、プルデンシャル生命の不祥事に関する記者からの質問に「極めて遺憾で重大事案と認識しており、ガバナンス不備、営業管理の不足、組織風土に加え、「着眼点」の浸透と実践不足が要因だと考えている」と回答した。
住友生命を含む個人情報不正持ち出し事案に関する質問には、「情報持ち出しは大変遺憾だが、業界全体の構造的な問題ではなく個社の問題と認識している。住友生命としては、再発防止策を徹底し出向者は3月末で全員引き揚げる。今後は、各社が自主調査を行い協会はガイドライン順守の後押しを継続していく」と回答した。
保険・共済領域の各社では、AI活用に向けた取り組みの中でデータ整備が現場の大きな課題として顕在化している。これを解決し、組織としてのAI活用のROIを高めるには、社内情報を "AI ready" ―企業や組織がAI活用の戦略や具体的な活用事例の定義、データ基盤整備、AI活用できる組織文化の醸成等、AIを利用できる準備が整っている状態―にすることが不可欠であり、従業員個人のリテラシーに依存するのではなく、組織主導でデータを整備する体制づくりが重要となる。
同セミナーは保険・共済領域における「データ整備」に焦点を当てることで、組織主導での生成AI活用の検討フェーズに入っている企業はもとより、まずは従業員のリテラシー向上から着手している企業が、今一番必要としている情報を提供することを目的に企画された。
講演には、同社の専門家に加え、データ整備の重要性を志向し、技術的・概念的な観点から実績のあるAIベンダー4社が登壇した。
冒頭では同社コンサルティング事業部事業部長の寺田理氏が「生成AI活用におけるデータ整備の重要性」をテーマに基調講演を行った。
寺田氏は、保険業界に共通する課題を俯瞰し、実務に根差した組織的活用への道筋を探るため、生成AIの本格活用に向けて、技術進化だけでは越えられない「データ整備の壁」にどう向き合って行く
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